くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

麻耶雄嵩『夏と冬の奏鳴曲』

夏と冬の奏鳴曲(ソナタ) (講談社ノベルス)

夏と冬の奏鳴曲(ソナタ) (講談社ノベルス)

あらすじ
歪んだ館が聳え、たえず地が揺れ、20年前に死んだはずの女性の影がすべてを支配する不思議な島「和音島」。真夏に雪が降りつもった朝、島の主の首なし死体が断崖に建つテラスに発見された。だが殺人者の足跡はない。ラストで登場するメルカトル鮎の一言が齎す畏怖と感動。ミステリに新次元を拓く奇蹟の書。

亮人::どぅおもー!漫才風読書感想でーす!
ゲンキ君::今回は麻耶雄嵩『夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)』だガル!
亮人::この夏の講談社文庫のミステリフェアで、突然に麻耶先生の『痾』が復刊したんよな!?復刊の部数は僅少やったみたいやけど、無事にゲッターできたので、その前日譚の『夏と冬の奏鳴曲』を読んだわけよ。
ゲンキ君::ってか『夏と冬の奏鳴曲』と『痾』は直接の続編なのに、なんで『痾』だけ復刊したんだガル?
亮人::それが謎なんよなー。『夏と冬の奏鳴曲』の文庫も、アマゾン中古で1500円前後のプレミアがついてるんやから、ぜひ復刊してほしいのに!
ゲンキ君::まぁご主人は本書をノベルス版で読んだ後、たまたま文庫版も見つけてゲッターしてたガルね。
亮人::そうそう、100円で見つけられてラッキーやったわ!
ゲンキ君::麻耶作品は入手困難が多々あるけど、カルト的な人気の本が多いので、ぜひ復刊してほしいガル!
亮人::ということで本編。これがまた「何だこれ」「スゴイ」としか言えない内容やんけ!!
ゲンキ君::キュビズムがメインテーマだったガルね?
亮人::そうそう、途中でキュビズムについての講義があるねん。それが刺激的やった!ピカソとか、あんなカクカクした多面みたいな変な絵に、ちゃんとした意味があったねんなー!?知らんかった!平面のキャンバスに、正面から側面に反対側まで同時に描く、さらに過去から未来までも同時に描く。そんな実験的な精神があったんや!?
ゲンキ君::そしてそれが終盤にストーリーのカギになっていく展開なんだガル。
亮人::殺人の方は首なし死体というセンセーショナルなものだけど、解決してもフーンって感じw それよりも、主人公のうゆーさん(如月烏有)と助手のとーりちゃん(舞奈桐璃)よ!
ゲンキ君::とーりちゃんにキュビズムが絡む深刻な事態が起こって、さらにそこから全てをひっくり返す急展開の連続。
亮人::しかもリドルストーリー的に謎に明確な答えがないまま放置されて終わっていく。なんじゃこりゃ~!とーりちゃんは●●だったのか?!呼び方が二種類あるのには気づいていたが、まさかこれは。
ゲンキ君::最後のページで登場したメルカトル鮎が残す言葉にも衝撃だったガルね。
亮人::うゆーさんは狙ってこういう目に遭わされたんか?
ゲンキ君::あの映画はなんだったんだガル?
亮人::みんなが舞台となる島に集まった理由である、20年前に死んだ女優・和音の主演映画『春と秋の奏鳴曲』。あれが上映されたシーンでは、不気味すぎてマジで鳥肌たったわ。。。
ゲンキ君::まさに著者の言葉どおりの「開けてびっくり玉手箱」だったガル。
亮人::ミステリを超越した奇書やな。
ゲンキ君::ところでゲンキ君もゲージツを極めたガル!キュビズムの神髄を会得したガル!これを見るガル!
f:id:akito0526:20191004211659j:plain:w300
亮人::ってこれキュビズムじゃなくて「九尾ズム」やないかーい!!
ゲンキ君::( ^ω^)……。
f:id:akito0526:20191004211712j:plain:w300
亮人::って自分がキュビズムになって誤魔化すんかーい!!芸術だけに、お「アート」がよろしいようで!!ってナニ言わすねん!もうええわ!
★★★★★
f:id:akito0526:20190415215615j:plain