くじら座タウ星府立大学SF研究会

主に読書(SF中心)について書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。

高橋良平編『伊藤典夫翻訳SF傑作選・最初の接触』

あらすじ
無辺の空間に茫漠とひろがるカニ星雲──その外縁部で銀色に輝く地球の宇宙船が遭遇した漆黒の異星船は、敵か味方か? SF界の重鎮によるもっとも有名なファースト・コンタクト・テーマの決定版「最初の接触」をはじめ、『呪われた村』のジョン・ウインダムの「生存者」、鬼才P・J・ファーマーの「キャプテンの娘」など、名翻訳家伊藤典夫が惚れこみ翻訳した宇宙SFの中から、SF評論の第一人者高橋良平が7篇を厳選。

亮人::どぅおもー!漫才風読書感想でーす!
使い魔・ゲンキ君::今回は、ハヤカワ文庫の新刊『伊藤典夫翻訳SF傑作選・最初の接触』だガル!!
亮人::面白かったー!50年代の翻訳SFが中心で、オレの好みにストライクやわ!
ゲンキ君::「伊藤典夫翻訳SF傑作選」は『ボロゴーヴはミムジイ』という時間・異次元テーマの巻がすでに出ているけど、今回はそれの第二弾で宇宙テーマの巻だガル。
亮人::異次元とかピンと来-へんかったけど、やっぱり宇宙はSFの王道やで!!
ゲンキ君::珍しく、新刊でも積読せずにスグに読んだガルな?
亮人::そりゃこの綺羅星のごとき作家のラインナップなら即読むやろ!今となっては単著で新作は出なさそうな、レジェンドなオワコン(?)SF作家ばっかりやしw
ゲンキ君::オワコン言うな!「終わったコンテンツ」じゃないガル!今読んでも充分楽しいガル!
亮人::この調子で雑誌掲載されたままで未書籍化の短編もっと復活させていってほしいな!!
ゲンキ君::まだまだ埋もれた作品はあるはずだガル!
亮人::ただ一つだけ苦言を。各短編の扉の作品解説。伊藤典夫氏の当時の作家説明が書いてあって、それも歴史的価値あるけど、当時から現在までの著者来歴とか書いて欲しかったな。それも必要やん?とくにオビで「SF基礎力養成講座」って謳ってるなら!
ゲンキ君::たしかに、現代の目から見ると説明不足の感じもあったガル。
亮人::まぁマイナス発言はそれくらいで、各作品を見ていってみよう!

ゲンキ君::かに星雲を探査していたら異星人と1stコンタクトしてしまう話だガル。異星人は友好的だったけど、このまま帰らしてしまうと、お互いのパワーバランスが崩れたとき侵略戦争に発展する可能性が高い。なので今のうちに相手の船を破壊すべきかとお互いに疑心暗鬼になる。別れるに別れられない状態になるガル。果たして解決策はあるのか?
亮人::ってか扉解説によると、本作にインスパイアされソ連でイワン・エフレーモフは「宇宙翔けるもの」書いたんやって!?エフレーモフ既読やけど、たしかに全く同じテーマの短編やったわ!
ゲンキ君::『世界SF全集』の第33巻「世界のSF短篇集 ソ連東欧篇」で読んだガルね。
亮人::しかしエフレーモフは疑心暗鬼なんて皆無やったで!「人類は分かりあえて共産主義ユートピア作れたし、異星人とも分かりあえる~」って友好一辺倒ハッピーハッピーやったな!やっぱり共産主義って神だわww
ゲンキ君::共産主義無神論者なのに「神だわ」とは、これいかに?
亮人::ってかエフレーモフなんて現在全作品入手困難ばっかりやんけ?解説で名前を出しても、これは不親切やんね?ぜひとも復刊を!!
ゲンキ君::ついでにマレイ・ラインスターも復刊してほしいガルな!
亮人::そうや!まれいたそ~の本も読みたいぞ!
ゲンキ君::そうそうそう、ダックスフントたそ~、ってコラ!声優の内田真礼の愛称は関係ないガルー!もう次の話に行くガル!

ゲンキ君::火星行きの宇宙船が姿勢制御ブースターの事故で止まれなくなる話ガル。なんとか火星の周回軌道には乗るが、助けが来るのは未定。14人の男と1人の女による極限状態が続くガル。食料が尽きるのはいつかというヒリヒリする話ガル!
亮人::ダークなオチやったけど、キレッキレやったな!導入部との落差も利いてて、上手いわ。
ゲンキ君::ウインダムは終末モノ破滅モノも得意な作家だし、積読を読んでいかないといけないガルな!
亮人::ウインダム、ただのカプセル怪獣のくせに、やるやんww
ゲンキ君::そうそうそう、ミクラスも行け~、ってコラ!ウルトラセブンの使役するカプセル怪獣・ウインダムは関係ないガル―!次の話!

ゲンキ君::αケンタウリへの超光速宇宙船のテストパイロット。しかし超光速状態に入ると、異様な体験が襲い掛かるガル。
亮人::自分の精神時間がとてつもなく遅くなって、一秒が二時間に感じるんよな。でも体は一秒のゆっくりペースでしか動かされへん。目的地まで6000年の体感時間をどうするんやー?!
ゲンキ君::ブリッシュは、宇宙大作戦の人だガルね。
亮人::でもこんなハードな設定のSFも書いてたんや!これはええやん!
ゲンキ君::積読の《宇宙都市》シリーズと『宇宙播種計画』も読まないといけないガルな!!
亮人::こんな面白い作家やったとはね。本作も「顧問退部」する話かと思ってたよww
ゲンキ君::そうそうそう、先生辞めないで~、ってコラ!「コモンタイム」だガルー!次の話!

ゲンキ君::とある船長の娘が低血糖で倒れて月の大病院に運ばれてくるところから話ははじまるガル。原因不明。しかもこの親娘、なぜか生魚臭い。そこに親娘の故郷の異星の宗教文化も絡んで、謎が謎を呼ぶ展開だガル。
亮人::ってかファーマーはマイフェイバリット作家やけど、やっぱり異星生物の生態を考えて描くのが本当に上手いよなー!代表的長編『恋人たち』もそうやし、短編集『奇妙な関係』でも色々な生態系を考えてたし!
ゲンキ君::本作も、奇妙な寄生生物がカギを握ってるガル。
亮人::ファーマーというだけあって農民の目線で生態を見てるんやなww
ゲンキ君::そうそうそう、この田吾作~、ってコラ!ファーマーは名前で、けっして農民や田吾作って意味ではないガルー!もう次の話!

  • 「宇宙病院」ジェイムズ・ホワイト

ゲンキ君::宇宙の全ての生物を診る宇宙総合病院の話ガル。とあるテレパス宇宙人が企画を持ち込んでくるガル。ある星の恐竜型生物に重大な秘密があるので、実験に協力してほしいと。でも内容は詳しくは言えないと。はたして重大な秘密とは?
亮人::ってかコレもったいぶるほどのネタか?テレパス宇宙人がイチイチ、プライドの高い秘密主義で鼻についたわw
ゲンキ君::でもそれにサポートで付くことになった若き地球人医師は好青年だったガル。
亮人::たしかに試行錯誤して、最後に機転の利いた答えを出したな。
ゲンキ君::最終的にはいい物語だったガルな!
亮人::まぁ作者も、ジェイムズ・ブラックと同じくらい紳士な人なんやろうなw
ゲンキ君::そうそうそう、見た目は子供~頭脳は大人~、ってコラ!ジェイムズ・ブラックは名探偵コナンに出てくるFBI所属の紳士、こっちはブラックじゃないジェイムズ・ホワイトだガルー!ご主人のボケには、目が白黒なるガルw では次の話!

  • 「楽園への切符」デーモン・ナイト

ゲンキ君::全地球人は管理されて画一的な精神で暮らしている未来世界ガル。しかし主人公は精神管理されておらず、自由を求めて封じられたゲートから逃亡。そのゲートっていうのは、未知の超技術宇宙人が置き遺した遺産のようなもの。超種族宇宙人を追い求める旅に出た主人公の行きつく先とは?
亮人::高みへ続く道とは何かを思索した名短編やったな!これはええ短編や!
ゲンキ君::ナイトは、SF評論家でもあり編集者でもあり、そして傑作短編も残してて、すごい人ガルな!
亮人::さすが「悪魔騎士」を名乗るだけあり悪魔的魅力があるなw
ゲンキ君::そうそうそう、じゃあ天使武者もいるのかな~、ってコラ!「デーモン・ナイト」を勝手に直訳するんじゃないガルー!次!

ゲンキ君::優美なクンダロア人と粗野なスコンタール人。星間戦争の末に両者は疲弊し、太陽系ソル連邦に支援を求めるんだガル。しかし優美なクンダロア人は地球人に気に入られ手厚い技術供与など受けるが、粗野なスコンタール人は拒絶される。果たして両星の発展の行く末は?
亮人::これは考えさせられる話やなー。技術供与という文化侵略やな。過去の歴史でも西洋文明がやってきたことやしな。アフリカとかに技術を伝える代わりに、文化まで西洋化させられて、アフリカ本来の文化が消えてしまったり。宇宙時代でもあってもおかしくない話やわ。どちらが幸せだとも一概に言われへんことやしなー。でも種族のアイデンティティを守ることは大事や!
ゲンキ君::アンダースンは、アイデアストーリーも書けるし、ハードなSFも書けるし、あらためてスゴさを感じて、さらに好きな作家になったガルな!
亮人::では最後に恒例の謎かけ行くで~!
ゲンキ君::これまた唐突ガルね。
亮人::「最初の接触」とかけて!
ゲンキ君::本作とかけて?
亮人::「視力が悪い野球選手」ととく!
ゲンキ君::目が悪い野球選手ととく?そのこころは??
亮人::どちらも「ファーストコンタクト(first contact/一塁手コンタクトレンズ)」するでしょう!!おあとがよろしいようで!!
ゲンキ君::あれ、今回はキレイな謎かけだガル!?こんな出来るのなら、未着手でたまったままの他の漫才風読書感想も早くやりなさーい!
亮人::視力だけに、「今日せぇ(矯正)」ってかww
ゲンキ君::もうやめさせてもらうわん!ガルガル!!

収録作品

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