くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

麻耶雄嵩『名探偵 木更津悠也』

名探偵 木更津悠也 (光文社文庫)

名探偵 木更津悠也 (光文社文庫)

あらすじ
資産家・戸梶康和が自宅の洋館で刺殺された。財産相続がからんでいるものの、遺族たちには、それぞれ完璧なアリバイがある。被害者の甥・彰敏が証言した幽霊の目撃談。そこから名探偵・木更津悠也が導きだした犯人とは―!?(「白幽霊」)白い幽霊の出没に連動して事件が起こる4編で、名探偵・木更津悠也と助手役・香月実朝が名コンビぶりを発揮する。

亮人::どぅおもー!漫才風読書感想でーす!
使い魔・ゲンキ君::今回は、麻耶雄嵩先生の『名探偵 木更津悠也』だガル!
亮人::麻耶雄嵩作品は、名探偵の機能を解体していくってのがテーマなんよな。
ゲンキ君::どこまで名探偵の要素を削ぎ落していっても名探偵たりえるのか?これがテーマだガル。
亮人::それが今回も面白いねん。名探偵は木更津だけど、ワトソン役の香月の方が実は推理力がある。しかし香月は木更津の名探偵ぶりに心酔しているので、さりげなくヒントを紛れ込ませたりして木更津を理想の名探偵に仕立て上げる。
ゲンキ君::はたして「一番の推理力」を削ぎ落としても名探偵といえるのか?これが本書のテーマだガルな。
亮人::面白い命題。作られた名探偵も名探偵なのか?でも木更津もただの操り人形ではない。最後のページで木更津の衝撃の一言!?この逆アップ!これには鳥肌や!さすが麻耶雄嵩先生や!
ゲンキ君::4つの連作短編で「遺産相続のもつれによる殺人でのアリバイ捜査」「肝試し女子高生失踪事件」「バーで交わされた交換殺人の約束」「レンタルビデオが鍵となる1年前の女子大生行方不明事件」と4つの事件を扱うんだけど、その4つの事件共通のファクターとして出てくる「白幽霊」という仕掛けも面白いガル。
亮人::直接に事件とは関係ないけど、どの事件も幽霊が事件解決の糸口になる仕掛けやねんな。面白い繋がりや。
ゲンキ君::これは続編として、白幽霊自体の謎も木更津名探偵に解いてほしいガルな!!続編希望!
亮人::はいここで、ラストの謎かけを一つ!
ゲンキ君::これまた急な!?
亮人::「名探偵」とかけて!
ゲンキ君::名探偵とかけて?
亮人::「水源地が外国資本に買い占められようとしているぞー!水の利権を守れー!田畑を守れー!」ととく!
ゲンキ君::水ととく?そのこころは?
亮人::どちらも「すいり(推理/水利)の争いに勝利する」でしょう!!おあとがよろしいようで!!
ゲンキ君::えらい社会派な謎ときガルね!?
亮人::複雑に入り組んだ現代社会に鋭いメスを入れ、さまざまな謎や疑問を徹底的に究明する、それがオレ、亮人局長やでww
ゲンキ君::ってそれ、「名探偵」じゃなくて、「探偵ナイトスクープ」の前口上じゃないかーい!!もうやめさせてもらうわん!ガルガル!!!
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