くじら座タウ星府立大学SF研究会

主に読書(SF中心)について書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。

グレッグ・イーガン『万物理論』

万物理論 (創元SF文庫)

万物理論 (創元SF文庫)

あらすじ
すべての自然法則を包み込む単一の理論、“万物理論”が完成されようとしていた。ただし学説は3種類。3人の物理学者がそれぞれの“万物理論”を学会で発表するのだ。正しい理論はそのうちひとつだけ。映像ジャーナリストの主人公は3人のうち最も若い20代の女性学者を中心に番組を製作するが…学会周辺にはカルト集団が出没し、さらに世界には謎の疫病が。究極のハードSF。

亮人::どぅおもー!漫才風読書感想でーす!
使い魔・ゲンキ君::今回は、グレッグ・イーガンのSF長編『万物理論』だガル!!
亮人::オレも万物理論を思いついたで~!
ゲンキ君::急になんだガル、自分勝手だガルね。そもそも万物理論(TOE=Theory of Everything)というのは、この宇宙にある全ての力を一つの式で記述しようという試みだガル。この宇宙には四つの力があると言われてるガル。「重力」と「電磁気力」は体感的に分かるけど、あと「強い相互作用」と「弱い相互作用」ってのがあるガル。この二つは、核力とか目に見えない小さな力みたいガルな。
亮人::この宇宙は、天日干しした物が水を含んで戻っていってるだけの存在。名付けて「乾物理論」ww
ゲンキ君::現在は、「電磁気力」と「弱い相互作用」は統一した一つの式で記述できるようになってるガル。さらに「強い相互作用」も一緒の式で記述できるように研究が進められていて、最終的には四つ全部を一つの式で記述したい。それが万物理論だガル!
亮人::新しい万物理論また思いついたで~!この宇宙は神様が観客席から見てる演劇に過ぎない。名付けて「見物理論」ww
ゲンキ君::本書では、その万物理論が20代でノーベル賞も受賞した女性理論物理学者によってついに発見されて、ステートレスという無政府主義者の人工島で発表されるという話ガル。
亮人::新しい万物理論また思いついたで~!この宇宙は神様への贈り物に過ぎない。名付けて「進物理論」ww
ゲンキ君::ただそこはイーガン、ただ発表するだけで終わらないガル。ポイントになるのは「人間原理」だガル。以前の作品『宇宙消失』や『順列都市』でも同じテーマを扱ってきてたガルな。普通は「世界があって人間が存在する」と考えるけど、人間原理は「人間が知覚することによって世界はその世界として確定し成り立っていく」という考えガル。万物理論でいえば、世界の法則の万物理論があってそれを科学者が発見するのが普通だけど、科学者が整合性のある理論を発見したら世界がその形に確定して存在が広がっていくガル。そしてその発見した科学者は神様みたいな存在(基石=キーストーン)になるガル。これが本書の一番の大ネタだガル!難しいガルね。
亮人::新しい万物理論また思いついたで~!この宇宙は女優の蓮佛美沙子ちゃんの見た夢の中の世界だった。名付けて「蓮佛理論」ww
ゲンキ君::こんな大変な神存在になっちゃうんだから、この科学者は反科学カルトとかに命を狙われたり、サスペンスフルになっていくガル。反科学カルトといえば他にも色々登場してきて、伝統復興運動して科学を目の敵にする団体とか、科学的じゃない連中をイーガンは暗に批判しつつ描いていくガルね。
亮人::新しい万物理論また思いついたで~!この宇宙は某海産物一家の隣に住んでる作家・伊佐坂先生(伊佐坂難物)の作品の中の世界。名付けて「難物理論」ww
ゲンキ君::また反科学カルトの他にも、未来の異形の科学技術だったり、男性と女性以外に汎性ってのがあったり、とりあえず近未来のガジェットがこれでもかと投入されてるのも読みどころだガル。もうこのガジェット一つ一つで、どれだけのSF短編が書けるかってくらいに、贅沢に投入されてるガル!本当にスゴイガル!
亮人::新しい万物理論また思いついたで~!この宇宙は神様が部下に給料払えなくて物で支給した、その物。名付けて「現物理論」ww
ゲンキ君::とりあえず、伝えきれないけれど、SFネタの洪水で大傑作なんだガル!!!ってかご主人、人の話を聞いてるガルか??
亮人::聞いてませーん!?これがホントの「馬の耳に念仏理論」wwなんちゃって!
ゲンキ君::それが言いたかったんかい!もうやめさせてもらうわん!ガルガル!!
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