くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

スティーヴン・バクスター『虚空のリング(下)』

虚空のリング〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

虚空のリング〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

あらすじ
未来の太陽系に到着した「グレート・ノーザン」の一行は、太陽の中に住まう女性リゼールから驚くべき事実を告げられた。恒星を抹殺しているのは、人類とは全く異質な暗黒物質生命だというのだ!これに対抗できるのは宇宙の支配的種属ジーリーのみ。かくして一行は一縷の望みを託し、宇宙の彼方にあるジーリーの拠点、謎の建造物「リング」へと赴いた…!ハードSFの気鋭が驚異のタイムスケールで描く、未来史の集大成。

バリオン物質(通常物質)生命の超種族ジーリーと暗黒物質生命のフォティーノ・バードとの二百億年にわたる戦い。現行宇宙からの脱出をはかるための、超ひも理論・宇宙ひもで作られた直径一千万光年の《リング》。リングを破壊するため、中性子星や銀河までも爆弾としてぶつける作戦。全てが科学的想像力の限界まで壮大。それに比べて、人類のなんと矮小なことよ。満足感と空虚な気持ちが同居する不思議な、SFならではの読後感だった。
★★★★☆