- 作者: 眉村卓
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1981/06
- メディア: 文庫
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あらすじ
若き司政官マセは、初めての担当惑星となる1325星系唯一の惑星、ラクザーンについての情報を受けとっていた。最初の入植以来、わずか50年で異常なまでに繁栄しているラクザーン。だが、まもなくラクザーンの運命も終焉を迎える。太陽が新星化するというのだ。全住民、全企業体のすみやかな異星への移住――それは、かざりのものとなりさがってしまっている司政官にとって、とてつもなく困難な仕事に思えた……惑星を覆う壮大なドラマを背景に、体制内で真摯に生きるひとりの司政官の生きざまを見事に描き出し、泉鏡花文学賞に輝いたSF巨篇。
いまは発売されてるのは創元SF文庫の上下巻だが、ハヤカワ文庫の3巻モノで読書中。まず第1巻を読了。
連邦経営機構から任命された植民惑星を統べる司政官マセが、恒星の新星化で破滅の危機からどう住民を助けるのか……というプロットは至ってシンプル。だが、惑星統治・政治的駆引き・貨幣経済・ロボット官僚体系・惑星生態系・先住異星人文化など細かなディテールの書き込みから浮かび上がってくる惑星ラクザーンの姿には圧倒。マセの視点からのみで描くスタイルは冗長にもなりかねないが、敵対勢力の策謀などマセの困難と苦悩と決断をダイレクトに感じられ、読み進める手が止まらない。面白くて堪らない。続いて2巻に行きます。