くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

眉村卓『ねらわれた学園』

ねらわれた学園 (講談社青い鳥文庫)

ねらわれた学園 (講談社青い鳥文庫)

あらすじ
生徒会長になった謎の美少女、高見沢みちると パトロールによって、学園は支配されていく――
このまま、やつらの自由にさせていいの!?
生徒会長に立候補し、あざやかに当選してみせた、高見沢みちる。 その魅力的な微笑とふしぎな力によって、しだいに学園の自由は奪われていく……!? 美しい顔にかくされた彼女の正体と、真の狙いはなんなのか? 何度も映画化・テレビドラマ化された、日本SFジュブナイルの大傑作が青い鳥文庫fシリーズに登場!

今年秋にアニメ映画化されるとのことで、図書館で探してきた!眉村卓の1973年のジュブナイルSF。眉村先生は、近年ではまさかの本人が実写映画化され、フィーチャーされてるので、再評価にの機運が高まってきているのを感じる。『時かけ』もそうだか、この時勢に乗って第一世代SF作家のジュブナイルSFもどんどん映像化していって欲しいなあ。(特にマンガ化もされた『夕ばえ作戦』あたりを個人的にプッシュ)
正当な選挙で選ばれた生徒会が秩序維持のためにパトロール員を創設し、秘密警察みたいに学園の自由を奪っていく、という序盤のストーリイテリングは滅茶苦茶吸引力があり、さすがは眉村先生といった感じ。ファッショの波はいつどこでも勃興するというのは、現代にも通じ恐ろしい。しかし物語の核になってゆく「超能力」などは、さすがに現代的でない気がする。これをどう調理してアニメにするのかが今から楽しみだなあ。
★★★☆☆