豊田有恒『パチャカマに落ちる陽』
- 作者:豊田 有恒
- メディア: 文庫
あらすじ
(調査中)
タイムパトロールものの時間SF短編集。しかもインカやマヤやアステカなど中南米の文明という他では見ないテーマで、面白かった!このリサーチ力もスゴイね!そしてタイムパトロールものとして、各短編でバリエーションのある意外性のオチを持ってきており、楽しめる!
- パチャカマに落ちる陽
インカ帝国の最後の将軍チャルクチーナに惚れた22世紀の少女が光線銃を持って助けに行く話。もちろん歴史を変えることになって犯罪だが、そこに仕掛けが。ってか未来のタイムマシンは、今の自動車免許みたいに軽いノリで教習所で取れたり、駐停車禁止で捕まったり、軽い扱いで笑う!ってかインカ帝国を滅ぼしたスペイン軍のフランシスコ・ピサロって最悪だな。侵略行為が酷すぎる。って歴史に詳しかったら常識かも知れんけど、オレは疎いので今さら再認識。(そしてインカ帝国といえば、首都クスコと初代皇帝マ●コ・カパックも名前が出てきて、オレもニッコリ)
- チキン・ラン
原付バイクみたいなタイムマシン、タイムホッパー。23世紀の若者は、そのタイムホッパーで過去の戦地などに行き、どれだけ留まっていられるかチキンレースする。いくら未来といえども、そんなんが流行るか!?しかし全てが停滞した未来の若者の文化の考察は鋭いかも!
- マヤに咆える象
1451年のマヤ文明。悲運の王女イスエクをタイムパトロールが助けて逃亡してしまう。タイムパトロールが時間犯罪!?様々な時間を逃亡した末にたどり着く先は?これは面白いオチ。歴史が改変されるという事件を逆手に取ったアイデア。面白い!でもこの象の扱いはムチャだ!?
- アステカに吹く風
アステカ文明に異変を察知したタイムパトロール。調査中、アステカの神・ケツァルコアトルに出会う。これ何者!?そして後にアステカを征服するはずのスペイン軍・コルテスが戦死するのを発見。歴史を変えようとする犯罪者を探るためスペイン軍に潜り込む。ということで、これまた面白かった!コルテスのアステカ征服の経緯を綿密にリサーチしてSFにしていて、感心。タイムパトロールSFとしても、裏をかく展開を持ってきていて、楽しかった!やっぱりタイムパトロールものはイイネ!!
収録作品
- パチャカマに落ちる陽
- チキン・ラン
- マヤに咆える象
- アステカに吹く風