くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

光瀬龍『たそがれに還る』

あらすじ
時は3000年代の終り。惑星経営機構調査局員シロウズは、辺境星区航路を目指していたが、急遽、異変のあった金星に向かう。金星で局員たちは荒廃した未知の巨大な建造物の幻覚を体験、特にシロウズは、遥かな時空を超えた滅びの声をきいた……。
一方、冥王星に多発する地震を調査中の局員たちは、直径500メートルの巨大な宇宙船を発掘。4500メートルの地中に1200年も埋もれていたのは、自らを宇宙船にサイボーグ化した異星の生命体だった。この宇宙船から、かつて、二つの星間文明が戦争し、その時、強大な力をもつ何かが、彼らを滅亡させたことを暗示させられた……。
膨大な時の流れのなかで、戦慄すべき人類の未来を詩情豊かに描いた壮大な未来叙事詩。日本SFの名作。

オールタイムベストSFで、長門有希の100冊で、読メ読友さんが読んでたので、手に取ってみた。宇宙の厳然たる冷たさを描くのが光瀬宇宙SFだが、なんかこれはピンと来なかった。《宇宙年代記》短篇の宇宙の冷酷さよりも、「無=破滅」のイメージが曖昧で脅威がぼやっと感じた。光瀬先生の奔放な筆致は相変わらず好きだったけど。統合戦争など歴史の流れを自由に書くことによって、未来史の世界観を重厚にしている。
★★★☆☆