くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

米澤穂信『Iの悲劇』

Iの悲劇

Iの悲劇

あらすじ
一度死んだ村に、人を呼び戻す。それが「甦り課」の使命だ。人当たりがよく、さばけた新人、観山遊香。出世が望み。公務員らしい公務員、万願寺邦和。とにかく定時に退社。やる気の薄い課長、西野秀嗣。日々舞い込んでくる移住者たちのトラブルを、最終的に解決するのはいつも―。徐々に明らかになる、限界集落の「現実」!そして静かに待ち受ける「衝撃」。これこそ、本当に読みたかった連作短篇集だ。

亮人::どぅおもー!漫才風読書感想でーす!
使い魔・ゲンキ君::今回は、米澤穂信先生の『Iの悲劇』だガル!
亮人::米澤穂信先生、初期から追いかけてるけど、ほんまに好きや。信頼を裏切らへん。今回も最高やった。
ゲンキ君::本当にすごかったガルな。
亮人::では、あらすじ、いっといて。オレは余韻に浸ってるから!よいよいーん。
ゲンキ君::今回の舞台は、寂れて無人になった蓑石(みのいし)の集落だガル。その集落に移住者を迎え入れる、Iターン事業。それを一手に任されたのが、南はかま市「甦り課」だガル。
亮人::そうそう。地方創生が表のテーマよな。
ゲンキ君::出世のため難題を全て受け持とうとする公務員的公務員・万願寺、人当たりは良いが新人気質を隠そうとしない観山遊香、昼行灯の西野課長。この3人の課のメンバーが移住者の難題の相談を聞いていくガル。
亮人::一癖も二癖もあるメンバーやなー。
ゲンキ君::隣人騒音問題、養殖の鯉の消失、子供が行方不明、親睦会での食中毒、仏像の呪い。色々トラブルが巻き起こるガル。そしてそれらの真相を暴くごとに集落を去る移住者。そして最後には誰も……。
亮人::そうそうそうなのよ。連作短編の1作目だけは雑誌掲載時に読んでたんやけど、まさかこんなラストになるとは思いもせんかったわ!?
ゲンキ君::真相が反転するラスト最終章はすごいの一言だったガルな!
亮人::地方自治はオレも大学の時に研究してたテーマやったけど、ここまでの深さは思い描いてなかったわ。
ゲンキ君::地方自治、地方の衰退の暗部をえぐってたガル。
亮人::詳しくはラスト言えないけど、コレ、アンチ「ポツンと一軒家」よなーww
ゲンキ君::たしかにw これを読んだ後だと、あの番組の見方が変わるガルw
亮人::そしてこのタイトルも上手いよなー。
ゲンキ君::「Iの悲劇」。そして最終章。
亮人::エラリー・クイーンの《悲劇四部作》のオマージュと思わせておいて、こんな使い方をするとはね。
ゲンキ君::ブラックビターな米澤穂信先生の本領発揮だガルな!
亮人::なんしか今作も傑作やった!大満足や!
ゲンキ君::年間ベスト級の読書だったガル!
亮人::ここで謎かけや~!
ゲンキ君::また唐突にオチを付けようとするガルな?
亮人::「『Iの悲劇』の課のメンバーの活躍」とかけて!
ゲンキ君::課のメンバーとかけて?
亮人::「京都の哲学の道の近くにある寺院の阿弥陀如来像」ととく!
ゲンキ君::阿弥陀仏ととく?そのこころは?
亮人::どちらも「えぇ感動/永観堂」の「甦り課/よっ見返りか」というでしょう!!おあとがよろしいようで!!
ゲンキ君::たしかに永観堂の御本尊は「みかえり阿弥陀」といって、頭を左に向けて振り返ってるような御姿の珍しい阿弥陀様だけども!この謎かけは、本当にムリがありすぎるガル!!ひどい!!
亮人::これじゃ『Iの悲劇』じゃなくて「I‘m悲劇」ってねww
ゲンキ君::もうやめさせてもらうわん!ガルガル!!!
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