白樺あじと『神隠しに会いに行く』『天笠画廊のこと』

神隠しに会いに行く
作者：白樺あじと
出版社/メーカー：シーラカンス・バカンス
発売日：2018/09/09
メディア：文庫判(A6)

あらすじ
女子高生・雨宮伶は謎の失踪を遂げた友人・真那の行方を追い、彼女の残したメッセージを発見する。そして、メッセージを解読して手に入れたノートには、『神隠しに会いに行く』という一文が残されていた。ノートの謎を解くために、探偵・石笛の手を借り、捜査を進める伶だったが、更に謎めいた失踪事件が起きる。彼女たちは「神隠し」にあったのか？ノートを残した真那の思惑とは？消えた彼女を探せ――怪奇×ミステリー

天笠画廊のこと
作者：白樺あじと
出版社/メーカー：シーラカンス・バカンス
発売日：2019/05/06
メディア：文庫判(A6)

あらすじ
(略)

亮人：：どぅおもー！漫才風読書感想でーす！
使い魔・ゲンキ君：：今回は、文フリでゲットした同人誌2冊だガル！シーラカンス・バカンスの白樺あじとさんの作品ガル！
亮人：：2018年の文フリ大阪でたまたま購入してメッチャお気に入りになって、2019年の文フリ大阪では既刊全部ゲッターしてきたんよな！そして大事にチビチビ読んできたんやけど、ついにこれで最後の積読。
ゲンキ君：：今回も2冊とも良質なミステリだったガルな！
亮人：：まずは『神隠しに会いに行く』からや！
ゲンキ君：：高校の同級生・真那が失踪したことから物語ははじまるガル。
亮人：：「神隠し」やな。
ゲンキ君：：真那が巧妙に隠していたノートには、昔の神隠しについて調べた記述がびっしり。そのノート自体も暗号になっていて、その指し示す場所に行ってみると……。
亮人：：これまたスリリングなミステリやったな！まずは暗号モノとして、メッチャおもしろかったな。
ゲンキ君：：ノートの暗号の隠し方の絶妙な上手さに驚いたガル！
亮人：：そして二転三転するラストもスゴイんよ。神隠しを既知の現象として、ミステリに組み込む仕掛けが非常に巧妙や。
ゲンキ君：：オカルト要素もあるけど、それでいてフェアなミステリしてるガルな。
亮人：：そうやねん！色々な記述が伏線になって、ラストでフェアに回収される。気持ちええやん！
ゲンキ君：：いろんな方向性が書けるけど、フェアなミステリという軸はしっかりしていて、これからも追いかけていきたい作家さんだってなったガルな！
亮人：：ではここで一旦、謎かけブレイク！
ゲンキ君：：また突然だガルな？
亮人：：「神隠し」とかけて！
ゲンキ君：：神隠しとかけて？
亮人：：「点P」ととく！
ゲンキ君：：点P？点Pととく？そのこころは？？
亮人：：どちらも「きゅう(急／Q)にしっそう(失踪／疾走)する」でしょう！！
ゲンキ君：：それって、数学で「直線AB上を秒速●cmで移動する点Pが点Qに追いつくのは何秒後でしょう？」とかいう、よくある問題の話じゃないかーい！！ってか点Pは動いてるだけで、べつに疾走はしてないじゃないかーい！
亮人：：点Pが動くのも天狗の仕業といわれている！神隠しと同じ！？
ゲンキ君：：いわれてないガル！もう2冊目に行くガルよ！
亮人：：2冊目の『天笠画廊のこと』は短編集やな。
ゲンキ君：：どれも方向性は違うけど面白い作品だったガルな！
亮人：：最初の短編は「彼女の庭」という話。
ゲンキ君：：金持ちの息子である主人公が、別荘で女を殺してしまい、別荘の管理人に後処理を手伝ってもらう話だガル。
亮人：：主人公は帰り道になって、管理人の行動に一つだけ違和感が挟み込まれてたと気づくねん。
ゲンキ君：：一つの何気ない行動に大きな企みが潜んでいて、おもしろかったガルな！
亮人：：人間の業とは深いものよのー。
ゲンキ君：：何を分かったような！？
亮人：：2本目の短編は「再会」という話。
ゲンキ君：：高校を卒業して5年ぶりに会う飲み会が舞台ガル。
亮人：：この仲良しグループのメンバー、高校最後の山登りで事故で一人を亡くしているねんな。
ゲンキ君：：しかしそれは事故だったのか？この推理を飲み会の席でフェアに展開しつつも、作者のさらなる仕掛けが。この仕掛けがまた上手いガル！
亮人：：見事にしてやられたな！
ゲンキ君：：こういう伏線の張り方も上手いガルよなー！
亮人：：最後に表題作「天笠画廊のこと」。
ゲンキ君：：これはミステリ要素は薄めだったガルな。
亮人：：ミステリより、青春の無垢さによる無知な苦さを描いてるねん。痛々しい心の動きに共感したわ。青春を思い返すとき、誰もがこういう経験あるねんなー。
ゲンキ君：：こういう方向も書ける作者さんの凄さガルな！
亮人：：これで白樺あじとさんの積読は全部読んでしまった。
ゲンキ君：：前回売り切れていた分、次の文フリで買えたらいいんだけどね。なんとしても既刊全部読みたいガルな！そして新作も！
亮人：：そうやそうや！ということで謎かけ！
ゲンキ君：：またまた突然の。
亮人：：「画廊の照明まわりの工事」とかけて！
ゲンキ君：：画廊の工事とかけて？
亮人：：「小学生の頃のオレ」ととく！
ゲンキ君：：小学生のご主人ととく？そのこころは？？
亮人：：どちらも「がろうでんせつ(画廊、電設／餓狼伝説)」するでしょう！！
ゲンキ君：：『餓狼伝説』といったら、90年代に一世を風靡した対戦格闘ゲームじゃないかーい！
亮人：：正確には『餓狼伝説スペシャル』とか『リアルバウト餓狼伝説』やけどなw
ゲンキ君：：どっちゃでもいいガル！しかしよくもまぁ次々とネタが出てくるガルね？
亮人：：見てくれる人がいる限り、やる甲斐が(絵画)あるってね！画廊だけにww
ゲンキ君：：もうやめさせてもらうわん！ガルガル！！！