くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

火浦功『死に急ぐ奴らの街』

あらすじ
人類が辿り着いた最後の街・世紀末都市。だがそこは文明の廃棄場だった。鳴りしきるサイレン、崩れた裏通りを彷徨う男達、殺し屋、刑事、バーテン、タクシー・ドライバー……。悪魔の薬P2で幻覚を起こした患者が、凶悪犯罪を重ねた。刑事達は街の闇を縫って、P2密売の大物らを追跡したが、目指す相手は次々に死体となって転がっていく。黒幕は?P2蔓延の狙いは?著者初の本格ハードボイルド。

SFのバックグラウンドがありつつも、本格的なハードボイルド小説。近未来アメリカのとあるメガロポリス。殺し屋・刑事・タクシードライバー・私立探偵・バーテンダー・宇宙移民志願者、それぞれが主人公の話が並ぶオムニバス形式の物語。荒廃した街で苦闘するそれぞれの主人公が文句なしにカッコイイ!!火浦功はドタバタギャグのイメージだったけど、こんなシリアスも書けるんだ!?オムニバスで前の話の主人公がチラッと再登場する仕掛けもニクイ演出!滅茶苦茶好きな作品になったし、火浦功も再評価したわ!!
★★★★★