くじら座タウ星府立大学SF研究会

主に読書(SF中心)について書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。

野田昌宏編『太陽系無宿―スペースオペラ名作選(1)』

太陽系無宿 (ハヤカワ文庫 SF 49 テーマ・シリーズ スペース・オペラ)

太陽系無宿 (ハヤカワ文庫 SF 49 テーマ・シリーズ スペース・オペラ)

あらすじ
果てなき宇宙にひろがる夢とロマンの大冒険世界へ、あなたを御招待!宇宙開拓時代の夜明け、いまだ法と秩序のもたらされぬ辺境諸惑星間に、太陽系きっての冒険家としてその勇名をうたわれた《鷹》のカース――太陽系全体を恐怖のどん底へつきおとした、彼と宿敵《鳶》のジュッドとの壮絶な死闘を描く「太陽系無宿」をはじめ、若さと活力あふれる初期SFの傑作全四篇を収録。本邦初の本格的宇宙冒険活劇(スペース・オペラ)特集シリーズ、第一巻ここに登場!

亮人::野田大元帥による編訳の「スペースオペラ名作選」全二巻の第一巻やでー。
使い魔・ゲンキ君::今年の二月に、西心斎橋まんだらけグランドカオスで買ったやつだガルな。
亮人::第二巻『お祖母ちゃんと宇宙海賊』は、ジグソーハウスさんで買ったんや。早く読んでしまおうと、一巻を手にとってみた。最近は、全二巻が合本されて、創元SF文庫から出てるな。
ゲンキ君::新しいのを買わないで、古い版で集めるのが、古本好きの御主人らしいガル。
亮人:: ってか合本版の今の読者の感想をあさってみたんだけど、みんな評価低めやなー。
ゲンキ君::まあ古臭いといえば古臭いガルよね。
亮人::でもスペオペやで?何も考えずに読める楽しいエンタメなのがええんやないか!!太陽系の地球以外の星にも動植物がウヨウヨおったり、大味な冒険や勧善懲悪やったりやけど、スペオペは楽しければそれでええんや!!
ゲンキ君::熱く語るガルねー。
亮人::古きよきスペオペが大好きやからね。
ゲンキ君::ところで収録作は全部シリーズ物の中の一篇らしいけど、キャプテン・フューチャー以外は全部邦訳がないらしいガル。
亮人::これは悲しい。こんなに楽しいお話たちなのに。
ゲンキ君::最近に合本復刊したからといって、今の時代にシリーズ全新訳がでる可能性も低そうだガルね。
亮人::悲しみ。。。ということで、今から各話の舞台となった土地に行ってみよー!!
ゲンキ君::急だガルな。
亮人::ここに用意した、宇宙自転車「ブルーフロンティア号」で、いざ出発ーッ!!!

  • 「太陽系無宿」アンソニイ・ギルモア

船長・亮人::ハイ、やっと到着ー!表題作の舞台、土星の衛星イアペデス!
副長・ゲンキ君::地図(ウィキペ)には、土星の衛星は「イアペトゥス」しかないけど、どういうことだガル?綴りが全く違うガル。
亮人::細かいことはいいんや!細かいことを気にしてたら、古いスペオペは読んでられへん。
ゲンキ君::ハイ。それでここが舞台の牧場だガルね。宇宙開拓者の《鷹》のカースが、価値ある現地生物を育ててた牧場(科学的な細かな考証は気にしないでネ)。牧場は、悪の博士クウ・スイの配下の《鳶》のジュッドが留守中に破壊してしまってたけど、また再建できたんだガルね。
亮人::牧場が壊され、仲間が殺され、銃で仇を撃ちに行く。まんま西部劇のプロットですな。
ゲンキ君::スペオペは元々は西部劇を換骨奪胎した宇宙物という意味だから、まさにそれそのものということガル。
亮人::またカースという主人公が、前髪をかき上げるのがクセやったり、ニヒルというかキザったらしいというか。
ゲンキ君::これも西部劇から移植された要素なのガルか?
亮人::まあ王道のストーリーやったな。では次の舞台へGO!

  • 「月面植物殺人事件」フランク・B・ロング

亮人::お次は、月面に到着。月のアペニン山脈の麓にある邸宅や。
ゲンキ君::邸宅の主の富豪が不審死をとげて、客として居合わせた太陽系植物園の園長カーステアズが探偵として活躍するんだガル。
亮人::死体の傍に、温厚なはずの移動性植物フラリフラリが歩いていたというのが推理の鍵になるんやったな。
ゲンキ君::そこで植物学者探偵の面目躍如だガル。現場の状況と、ヘンテコ植物の生態と、上手くミックスした推理物になってて、面白かったガル!
亮人::いま流行の、お仕事系探偵ライトミステリの嚆矢かもしれんなー。では次の舞台へGO!

  • 「大作《破滅の惑星》撮影始末記」ヘンリー・カットナー

亮人::次も舞台は月面だから、ひとっ飛び。月のとある場所にある、地下洞窟撮影所や。
ゲンキ君::冥王星を舞台にした《破滅の惑星》を映画化しろと社長に言われた映画監督。でも冥王星は、放射能を帯びた星で、撮影できない。そこで月の地下撮影所だガル。
亮人::冥王星の怪獣も連れてくるんやけど、コントロールしてたはずが暴走。ちょっと『ジュラシック・パーク』っぽい展開やったな。ハラハラドキドキやった。
ゲンキ君::月世界ハリウッドという設定からして、楽しげだガル。
亮人::作者のカットナーは邦訳作品は多数あるけど、このシリーズももっと読みたいぞ。では最後の舞台へGO!

亮人::最後は、キャプテン・フューチャーの短篇ということで、フューチャーメンたちの基地がある月のチコ・クレーター!ピンポーン、いますかー?アポイントとってた、亮人船長一行です!
ゲンキ君:: (月面なのに、なんでインターホンがあるんだガル?)
グラッグ::やあやあ、待ってたンだよ。さあ中に入って。
亮人::フューチャーメンのグラッグさん!よろしくお願いします。
グラッグ::生憎、キャプテンは急な任務で地球に行っちまいましたよ。
ゲンキ君::おおーそれは残念だガル。
亮人::でも今回の短篇の主人公はグラッグさんでしたから。グラッグさんのお話を聞かせてください!
グラッグ::OK!
亮人::グラッグさんといえば、怪力無双の鉄人ロボットとして有名で、オレも大ファンなんですが、今回は抑鬱症状がでて僻地療養されてたらしいですね。
ゲンキ君::(ロボットなのに精神を病むことがあるのかガル?)
グラッグ::そうなんだ。オットーの減らず口には悩まされるは、食欲は減退するは、大変な目にあったよ。
亮人::でもいつもマジメに思い悩むけどユーモラスなところが、グラッグさんの魅力ですよ!今回も結局、療養と同時に、事件も解決してらっしゃいますし!
ゲンキ君::そうです!これからも太陽系の平和のために頑張ってくださいガル!
グラッグ::ありがとう!
亮人::短かったですけど、そろそろ時間ですね。貴重なお話をありがとうございます!では失礼します。
グラッグ::亮人君もピンチのときは、いつでもこのオレとキャプテンを呼んでくれたまえ!では!
……
ゲンキ君::いやーいい人(ロボット?)だったガルね!
亮人::太陽系の平和を守る、真っ直ぐな精神のロボットやったな!
ゲンキ君::ではそろそろ帰るガルか?
亮人::最後にせっかく月まで来たんやから「月の法善寺横丁」に行こかー!
ゲンキ君::いやいや、「月の法善寺横丁」は、月下に照らされた大阪の法善寺横丁という意味で、月面の法善寺横丁という意味じゃないガルー(泣)
亮人::ああーそうやったかーww ♪ネタのためなら、ゲンキも泣かす〜♪
ゲンキ君::それは「月の法善寺横丁」じゃなくて「浪花恋しぐれ」だガル!どっちも法善寺横丁の歌だけど!もうメチャクチャだガル!
亮人::月だけに、ネタもツキたw
ゲンキ君::もうええわ!帰りますよ!ガルガル!!

収録

  • 「鉄の神経お許しを」エドモンド・ハミルトン(《キャプテン・フューチャー》シリーズ)
  • 「大作《破滅の惑星》撮影始末記」ヘンリー・カットナー(《月世界ハリウッド》シリーズ)
  • 「月面植物殺人事件」フランク・B・ロング(《植物学者探偵ジョン・カーステアズ》シリーズ)
  • 「太陽系無宿」アンソニイ・ギルモア(《太陽系無宿ホーク・カース》シリーズ)

★★★★☆