くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

眉村卓『長い暁』

長い暁 (ハヤカワ文庫JA)

長い暁 (ハヤカワ文庫JA)

あらすじ
司政官ヤトウは海洋惑星ミローゼンの閉鎖社会の調査に赴く。それは黎明期にある司政制度の格好の試金石でもあった。因習にとらわれた原住者の社会を舞台に共同調査にあたる連邦軍人たちとの軋轢に悩みながらも、植民星統治の理想を模索する司政官を描く表題作「長い暁」他おなじく司政制度初期に光を当てる「照り返しの丘」「扉のひらくとき」の二短篇を収録。連邦経営機構の植民星行政官である司政官の姿をとおして、組織のエゴイズムや人間相互の葛藤など、組織社会が内包する諸問題を描きつづける眉村卓のライフ・ワーク“司政官シリーズ”。

《司政官》シリーズの中短篇集。シリーズ短篇集は二冊あってハヤカワ文庫『司政官』『長い暁』で、今は合本されて創元文庫『司政官全短編』として読める。『司政官』は去年読んで、シリーズ長編の『消滅の光輪』もオールタイムベスト級に大好きな作品。だから満を持して『長い暁』!本書は司政官制度黎明期を描いた作品を集めており、やっぱり面白かった!植民惑星を統治していく難しさ、原住民の生態に合わせていく観察眼、連邦の一員として体制を維持していかなければならない葛藤、本当に組織内の忍耐しかない。読み応えのあるインサイダー文学!

  • 照り返しの丘
  • 扉のひらくとき
  • 長い暁

★★★★★