くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

日本SF作家クラブ編『日本SF短篇50(1)』

あらすじ
日本SF作家クラブ五〇周年を記念し、一年一作五十作家で構成する究極のアンソロジー。第一巻にはクラブが発足した一九六三年から一九七二年までの十年間に発表された作品より、光瀬龍の“宇宙年代記”シリーズ「墓碑銘二〇〇七年」、詩情溢れる星新一の逸品「鍵」、IFを突きつめる筒井康隆SFの代表作「おれに関する噂」など全十篇を収録。今なお瑞々しい日本SF黎明期の傑作をSFの未来に紡ぐ。

このレジェンド軍団たるや!!いま読んでも古びない日本SF短篇のセレクトに驚嘆。まず光瀬龍の「墓碑銘二〇〇七年」からはじまるのが渋い。この寂寥感こそ光瀬SF。豊田有恒の「退魔戦記」も、お得意の歴史改変SFで好き。石原藤夫博士の「ハイウェイ惑星」も進化論SFの極北。荒巻義雄の「大いなる正午」は、哲学的モチーフで自分には難解だったが、別時空のビジョンが素晴らしい。半村良の「およね平吉時穴道行」は古文書解読から時間SFへと繋がっていく流れが最高。とりあえずこの時代からこのハイクオリティとは、幸せな時間だった!

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