くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

野尻抱介『ピニェルの振り子 銀河博物誌1』

あらすじ
博物商を営むラスコーと画工モニカを乗せた交易船が、リングを持つ海洋惑星ピニェルに到着した。採集人スタンはピニェル特産の美しいペラム蝶の売り込みに成功するが、一目惚れしたモニカの身を案じて、交易船にこっそり乗り込んでしまう。異星文明の遺産で恒星間航行は可能だが、機械文明が未発達のこの世界では、見つかれば密航者には船外遺棄の厳しい処分が待っている。スタンの命懸けの冒険が始まった。

野尻先生の著作は全部持ってるが、オレの中で最後の未読作。遅筆なので長年積読として温めてた。「銀河博物誌1」と銘打たれているが、シリーズ続巻は十数年出ていません。19世紀の欧州人があるとき一斉に見知らぬ宇宙で目覚める。航星船エンジンや保護鍍金宇宙服など超技術は与えられているが、基本的に19世紀人。19世紀人は様々な星を渡って動植物を集めて博物学を深めていく。ファーマーの《リバーワールド》シリーズのようなかなりイビツな設定だが、宇宙で出会う脅威の動植物を魅力的に描くためだから細かいことはよいのだ。「ピニェルの振り子」の生態が魅力的!
★★★★★