- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2015/12/20
- メディア: 単行本
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あらすじ
高校生の心中事件。二人が死んだ場所の名をとって、それは恋累心中と呼ばれた。週刊深層編集部の都留は、フリージャーナリストの太刀洗と合流して取材を開始するが、徐々に事件の有り様に違和感を覚え始める……。太刀洗はなにを考えているのか?滑稽な悲劇、あるいはグロテスクな妄執――己の身に痛みを引き受けながら、それらを直視するジャーナリスト、太刀洗万智の活動記録。日本推理作家協会賞受賞後第一作「名を刻む死」、本書のために書き下ろされた「綱渡りの成功例」など、優れた技倆を示す粒揃いの六編。
『さよなら妖精』の太刀洗万智が大人となって記者として事件取材する《ベルーフ》シリーズ。本作は、長篇『王とサーカス』(⇒http://d.hatena.ne.jp/akito0526/20150923/p4)の後の活躍を描く短篇集。全六篇収録のうち、半分は雑誌など初出の媒体で既読。2010年の大谷大学での米澤穂信講演会の後のサイン会(⇒http://d.hatena.ne.jp/akito0526/20101113/p1)で、先生に直々に「《ベルーフ》を早く本の形にしてください!」と言ってから、早六年でやっとこうして一冊になって手元にあるとは感慨深い。よねぽファンでよかった!太刀洗の怜悧な目で社会の闇を明らかにする、読み応えのある硬質なミステリ。太刀洗の報道(=仕事=ベルーフ)に対する矜持もまだまだ静かに光っている。こりゃまた三冠ですわ笑
- 真実の10メートル手前
- 正義漢
- 恋累心中
- 名を刻む死
- ナイフを失われた思い出の中に
- 綱渡りの成功例
★★★★★