くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

ランドール・マンロー『ホワット・イフ?:野球のボールを光速で投げたらどうなるか』

ホワット・イフ?:野球のボールを光速で投げたらどうなるか

ホワット・イフ?:野球のボールを光速で投げたらどうなるか

あらすじ
福岡伸一氏(生物学者・『生物と無生物のあいだ』著者)推薦
「どんなにバカげた疑問でも答えに接近する方法がある。
その接近の道筋に科学的思考のツボがある
――この本を楽しめる人こそ豊かな人だ」

・光速の90%の剛速球をバッターに投げたらどうなるか?
・人類総がかりでレーザーポインターで照らしたら月の色は変わる?
・お茶を必死にかき回したら沸騰させられるかな?
・どのくらい高い空から落とせば、その熱でステーキが焼けますか?
・元素周期表を現物の元素のキューブを積んで作ったら何が起こる?
星の王子さまがいたような小惑星がじっさいにあったら、居心地はどう?
・人類全員がちょっとのあいだ互いに没交渉になれば、風邪が撲滅できるのでは?
ヨーダのフォースパワーってどのくらいですか? ワットでいえば何ワット?
・深海底に穴をあけたら、海水が抜けるにつれて地図はどう変わる?
Facebookユーザーのうち、死んだ人の数が生きてる人を追い越すのはいつ?

こうした突拍子もない思いつきも、理系思考をこらして検討すれば、そこからは驚くべき結論が導き出され、何よりその結論は笑える! 元NASAの研究者が物理と数学とマンガで読者の疑問に全力を挙げて答える、人気のマンガ科学解説サイトを書籍化したベスト&ロングセラー、待望の邦訳。

くだらない荒唐無稽な仮定の質問に対して、マジメに科学的に時にはユーモアを交えて答えていく、科学本。例えば「周期表の物質を実際に表どおりに並べたらどうなる?」「ヨーダのフォースを電力に換算すると?」「ウィキペを印刷するにはプリンタが何台必要?」とか。筆者は元NASAのロボット工学者だから、科学に忠実に答えるんだけど、オチがウィットに富んだユーモアだったり、本当に楽しい読み物。筆者は、相当アタマがいいね。科学だけでなく、人文系の知識や映画などのサブカルまで、広大な知識量を駆使して楽しく解説してるのが本当に面白い。SF作家のラリイ・ニーヴンも「スーパーマンが子孫を作るには?」を忠実にシミュレートした評論をしていたが、本書も同様に科学マインドSFマインド溢れる。好感。
★★★★★