- 作者: ジェイムズ・P.ホーガン,小隅黎
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1987/10
- メディア: 文庫
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あらすじ
1939年の世界に無事にたどりついた《プロテウス部隊》だったが、その前途には暗雲がたれこめていた。アメリカは不況に悩み、ヨーロッパ諸国は、領土拡大の野心に燃えるナチスを見くびって、なんお対応もできないありさまだったのである。《部隊》はまず政界の第一線を退いたチャーチル議員に協力を要請、さらにアインシュタインをはじめとする当代一級の科学者たちと接触して新兵器の開発をいそぐが、ナチスを裏であやつる謎の存在が、次第にその姿をあらわしつつあった……現代ハードSFの旗手たるホーガンが徹底した調査と大胆な仮説で描きあげた、もう一つの第二次大戦!
ナチスが支配する世界から、歴史を修正するためタイムトラベルした《プロテウス部隊》が第二次大戦中のアメリカで暗闘する話。エンタメで面白かった!チャーチルやルーズベルト、アインシュタインからアシモフまで、実在の人物が主人公たちと出会い歴史改変のうねりになっていく展開は熱い。ナチスのタイムマシンを破壊する任務のためドイツに潜入したプロテウス部隊が、最後に窮地に追い込まれたときに、いろいろ伏線がつながってくるんだけど、それが御都合主義っちゃあ御都合主義なんだけど、メッチャ熱くって好きな展開だったしw。しかし全体主義に対する自由主義陣営の米英の公明さが全面に出ていて面食らう。ホーガンらしいといえばらしいが。敵に対する正義のためのマンハッタン計画と描写されるが、最終的に使う必要のなかったボロボロ敗戦濃厚の日本に原爆を落とすのが史実だしねえ。
★★★☆☆