豊田有恒『アメーバ妖女』

アメーバ妖女 (集英社文庫)

あらすじ
地球へ戻る宇宙パトロール艇が迷い込んだ“宇宙の墓場”。何千の遭難船の陰から出現した謎の美女の正体を暴く「スパイダー鬼女」。核シェルターの中で愛を交す最中、突如相手が不気味に変身する表題作他12篇。不思議な魅力と危険なパワーに彩られた女達とくり広げるエロチック大活劇。オリジナル連作集。

宇宙パトロールのタキイが宇宙のあちこちで美女に手を出しあれやこれやの事件に巻き込まれるシリーズ短篇集。タイムリーなものではアニメ『スペース☆ダンディ』のようなオムニバス宇宙SFでもあり、古典SFではC・L・ムーアの《ノースウェスト・スミス》を軽くしたヴァージョンのようでもある。例に漏れず女たらしで、巻き込まれ体質。どんな緊迫した場面でも、美女とセクロスに持ち込んで、逆に美女が宇宙人だったり命の危険に追い込まれたりする姿は、もはや様式美。1短篇が20頁前後のコンパクトにまとめられた上で、多彩な宇宙SFネタをちりばめているのには、好感。軽く読めて楽しい！

• アンドロイド処女
• トポロギー性女
• テレパシー裸女
• コンピューター幻女
• スパイダー鬼女
• トラブル美女
• アステロイド魔女
• エーリアン子女
• モンスター聖女
• エメラルド童女
• サイボーグ王女
• ニンフォマニア猛女
• アメーバ妖女
• コールドスリープ淑女

★★★☆☆