- 作者: 豊田有恒
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1975
- メディア: 文庫
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あらすじ
(省略)
豊田有恒の初期作品集。様々なタイプのSFが収録されており豊田有恒のショウケースとも言える一冊。全篇に渡って「日本の欧米化憎し」の偏った主張が織り込まれているのはご愛嬌。しかし日本書紀の異形の反逆者・両面宿儺の外敵に対抗する姿を、現代日本の欧米化の波への対抗とオーバーラップさせた表題作は読み応え充分。また氏のお得意のタイムパトロールもの「白村江」や、自虐史観を逆手に取った「いまひとつの日本」、作者自身が未来で宇宙戦を行うメタSF「ぼくのスペースオペラ」も素晴らしい。人類が進化の頂点なのかを問う「未来の翳」の進化論の末に幻視される次世代の地球の覇者の姿も、この短篇集を締めくくるにふさわしい力作。
- 両面宿儺
- 渡り廊下
- 白く塗られたバナナ
- 白村江
- いまひとつの日本
- ぼくのスペースオペラ
- 未来の翳
★★★★☆