くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

遠藤明範『機動戦士Ζガンダム フォウ・ストーリー そして、戦士に』

あらすじ
フォウ・ムラサメが、再び私たちの前に舞い降りた…。
カミーユに出会う以前のフォウはどういう生き方をしていたのか?ムラサメ研でいかにフォウは強化人間になったのか?Zガンダムファンの間で幻の作品として噂されていた遠藤明範氏のフォウの物語がいまここに!
一年戦争時、ジオンの極東へのコロニー落としにより家族、さらに自分の記憶までも失った少女がいた。戦後、焦土の中をたったひとりで生き抜いてきた彼女は、あるきっかけでニュータイプ研究所のひとつ、ムラサメ研究所に引き取られる。被験者番号004・フォウと名付けられたその少女には、強化人間養成のための、過酷な訓練と運命が待ち受けていた…。カミーユと出会う以前のフォウの生き方を描いた伝説のストーリー、ここに復活。

フォウ・ムラサメのムラサメ研究所での前日譚。『Ζ』で記憶を取り戻すことに固執していた理由に、こんなに悲しい企みが仕組まれていたとは驚き。ムラサメ博士(≒連邦軍ティターンズ)は悪辣だとは思っていたが、ここまで胸糞悪いとは。戦争とはかくも人を残酷にさせるのか。1stで登場したミハル・ラトキエの弟であるジル・ラトキエもストーリイに深くかかわってゆき、世界観に重層的な奥行きを与えている。宇宙世紀の後付け設定は嫌悪する人も多いが、自分的には大賛成。プロト・ゼロ(ゼロ・ムラサメ)についても誰か小説化してくれ!!
★★★☆☆