くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

ステファニー・メイヤー『トワイライト8 冷たいキスをあたしに』

トワイライト〈8〉冷たいキスをあたしに

トワイライト〈8〉冷たいキスをあたしに

まず序盤から中盤までは、卒業式などのイベントを消化しなければいけないとはいえ何か長いなと思って読んでいた。大体、エドワードとジェイコブは、ベラの為を思って吸血鬼と人狼の関係を妥協してるのに、ベラは自分の事ばっかり考えてるし。そして中盤の山場はジェイコブ君の無理矢理キス。これはイクナイ。ジェイコブ君はそんなことする子じゃないと思ってたのに、ちょっとショック。俺の中で評価下がった。さてここからが本感想の本題。本書終盤にして、シリーズ最大の「イラッと」ポイントが襲ってきました。カレン家史上最大となるであろう戦いの前夜、エドワードと離れたくないベラが放った一言。私も戦場に連れて行くか、エドワードだけ戦場の家族から抜けて私の傍に居て、と他の選択肢をわざわざ潰して迫る。これにはホントにイラッと来た。これ現代日本なら、自分の事を愛していると分かってる相手に向かって「なら仕事と私どっちが大事なの??」って迫って男を困らせるタイプだわ、絶対。ただ後に

あたしは怪物なんだろうか。(中略)本当のモンスター。みんなを傷つけて、自分の欲望を実現するためならどんなことでもやってのけるような……。(315頁)

と自分で分かっている様な事を言って自省しているので俺の気持ちも救われた。そしてまだ話は終わらない。その直後、シリーズ最大の「クラッと」ポイントが襲ってきました。上の二択を迫ってエドワードは戦いから抜けてベラの傍にいることを選択。ベラは酷い要求をした事を自覚しているので謝る。その謝りに対するエドワードのフォロウの一言。

「謝ることはないよ」「ぼくには、決しておそれたりしないでほんとうの気持ちを打ち明けてほしい。これがベラにとって必要なことなら……」「いちばん大事なのはベラだから」(中略)「わかってる。それにベラはそんなことは頼んでない。自分がなんとかがまんできそうな選択肢をふたつ挙げてくれた。そしてぼくはそこから、自分が甘んじてもいいと思うものを選んだ。それが“歩みより”ってものさ」(317頁)

これは甘ぇっす!!甘すぎる台詞っす!!!エドワードさん恰好良過ぎっす!!!!このシーンを読んでいた時、丁度立って読んでたんだけどクラッときて思わず腰から力が抜けて立ってられなかった。こりゃ全米の女の子も虜になるわ。いや女の子じゃなくてもクラッと来たもん。だって、もう決まりかけの事案に対して、彼女から(別の、しかも自分に都合の良い)二者択一を吹っかけられたらイラッと来るでしょ、普通。それなのに「二つも選択肢を挙げてくれた、そこから甘んじて自分が選ぶ、それが“歩みより”」ってこんな恰好良い事って常人が言える??俺もエドワードさんみたいな男になりたいっす!!!このエドワードさんの台詞だけで★5つ↓
★★★★★