- 作者: 山本弘,李夏紀
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/05/31
- メディア: 単行本
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ロボットについての物語であると同時に物語についての物語。
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『たったひとつの冴えたやりかた』方式で順番に語られる7つの物語はどれも素晴らしい。どれも心揺さぶられる。ハズレ無し。山本弘の長編はSF的大ネタで話を引っ張っていくタイプと思ってたけど、こんなにも感動的な物語を書くなんて!!
- 宇宙をぼくの手の上に
創作の話と生体宇宙船の話。
短編集『シュレディンガーのチョコパフェ』の中にも生体宇宙船の話があったけど、こっちの終わり方のほうが好き。現実世界との関連も含めて。
- ときめきの仮想空間
ヴァーチャル空間の話。
何この甘い話…すごく良いです。
早く科学技術進歩してこのヴァーチャルマシン作ってくれ。せめて『電脳コイル』レベルまで早く来てくれ。
- ミラーガール
対話マシンと自意識の話。
最後の1行が、、、アイビス世界との対比で素晴らしく見える。
ブラックホール監視AIの交流の話。
AIの微妙な心の変化(感情を理解する第1歩?)が書かれている。
- 正義が正義である世界
『ゼーガペイン』の話(違)
作者のアニメ・特撮の正義の味方に対する世界観が凝縮されている。
- 詩音が来た日
アンドロイド介護士の話。
この本のこの場所でしか発表できないであろう話(書き下ろし作品だから当たり前だが)。まさに『アイの物語』にピッタリ。
- アイの物語
真実の歴史の話。
今までの6つの話が下地になって最高の物語に仕上がっていると思う。アイビスの決意のシーンとラストシーンが泣ける。