くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

木尾士目『げんしけん 二代目の十一(20)』『げんしけん 二代目の十二(21)』

ついに完結!20巻では、斑目ハーレム。どんだけハーレムで引っ張るのかと思いつつも、スーとのデートで見せ場アリ、波戸君とのデートでは課題の重さを感じたり、けっこう読ませるね。
そしてラストの21巻では、ついに一人に決定!するはずだったのに、誰も選ばずw 斑目らしいといえばらしいけど。いい人やからね。そして咲の罠w で結局、電話で告白!ハッピーエンドでよかったじゃん!長かったけど、大団円で、みんなハッピーでよかったな!
完結はさみしいけど、また次世代がはっちゃけてくれる日もあるでしょ!

『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』全12話

異世界モノなんで回避しようかと思ったけど、なんとなく全話見てしまった!面白かった!原作者は、本作で出てきた人かと思ってたけど、前からいろんなレーベルからラノベを出してきてた人なのね。異世界で最強なんだけど、それだけではない世界観があった気がする。エロ要素とコミュ障キャラはとくに必要性を感じなかったけどw 講談社ラノベ文庫も、意外に侮れないねw

『博多豚骨ラーメンズ』全12話

関東では前クールにやってたのに、なぜか関西は3ヶ月遅れで放送。MW文庫であるのは知ってたけど、タイトルだけしか知らなかった作品。でも面白かったやん!博多が殺し屋だらけの街で、ひび事件が起こってる。そして殺し殺されの陰謀が張り巡らされて、それが伏線をきっちり張って丁寧に描写されてて、好感!面白かったから、原作も見てみようかな。

白樺あじと『ミステリーな君に』『南風原と生木の探偵ごっこ』


作者:白樺あじ
出版社/メーカー:シーラカンス・バカンス
発売日:2017/05/07
メディア:文庫判(A6)

あらすじ
『ミステリーな君に』
文芸部の部室に置かれていた作者不明の原稿。犯人捜しならぬ「作者捜し」を始める文芸部の面々。やがて、彼らの捜査はミス研や文化祭実行委員も巻き込んでいく。果たして文芸部は作者を見つけることができるのか? 青春ミステリー×日常の謎×フーダニット!!


作者:白樺あじ
出版社/メーカー:シーラカンス・バカンス
発売日:2016/11/23
メディア:文庫判(A6)

あらすじ
南風原と生木の探偵ごっこ
無気力女子高生・生木は、殺人事件に遭遇する特技を持つ少女・南風原に気に入られ、彼女の活動「探偵ごっこ」に巻き込まれる日々を送っていた。今日も南風原に呼ばれ現場に出向いた生木だったが、あるはずの死体が消えていて…。ガール・ミーツ・本格ミステリー。

亮人::どぅおもー!漫才風読書感想でーす!
使い魔・ゲンキ君::今回は、シーラカンスバカンスというサークルの白樺あじとさんの小説同人誌が二冊だガル!
亮人::同日に読み終わったから、二冊同時感想で行くで~。
ゲンキ君::これは9/9の文フリ大阪でゲットした本だガルね。
亮人::S.Y.S.文学分室の堺屋皆人さんとの合同ブースで、魅力的なミステリがいっぱいやった!
ゲンキ君::次の機会があったら、また絶対に行かないといけないガル!
亮人::それでは一冊目に行ってみよう。
ゲンキ君::『ミステリな君に』だガル。高校の文芸部の話だガル。
亮人::文芸部の部誌を作ろうというときに、いきなり無記名の原稿が早朝の部室の机の上にドーンと置かれてるのを発見。しかも読んでみると、傑作。それを部誌に掲載していいものか、「作者探し」推理していくという話やな。
ゲンキ君::メッチャ面白かったガルな!
亮人::そうそう!青春ミステリ&日常ミステリは結構好きで読んでいってるけど、上位に来るくらいフェイバリットや!
ゲンキ君::最上位はやっぱり米澤穂信先生だガルか?
亮人::米澤先生の《古典部》シリーズや円居挽先生の創元推理文庫のシリーズがオレの中でトップやねんけど、それに勝るとも劣らないくらい好きやったわ!
ゲンキ君::そこまで言うガルか?
亮人::もちろんミステリをそこまで読み込んでるワケじゃないから、個人的に好きってだけやけどな!
ゲンキ君::原稿を置ける可能性のある容疑者の中から推理で一人に絞る理論的道筋も、しっかりとフーダニットだったガルね!
亮人::綺麗に推理してたな!
ゲンキ君::物語の冒頭と締め方もちゃんと伏線になってたのも、いいガルね。
亮人::冒頭の主人公の過去のエピソードや、主人公が創作を苦手としているという設定も、ちゃんと一つの物語として内包されてる丁寧な作りで大好きやわ!
ゲンキ君::いい本を見つけれたガルよね!?
亮人::ホンマにいい出会いやったわ!もう一冊『南風原と生木の探偵ごっこ』も面白かったんよ。
ゲンキ君::こちらは殺人事件。死体発見を引き付ける特殊能力を持つ探偵志望少女・南風原(はえばる)と、それに巻き込まれる洞察力の冴えた無気力少女・生木(なまき)のコンビだガル。
亮人::メインの事件は死体移動がテーマやったな。
ゲンキ君::旧校舎から転落死したような死体を発見する南風原。しかし、生木を呼ぶ電話をかけに行ってる間に、死体が謎の移動をしているガル。
亮人::死体を移動させるということは、犯人が戻ってきて動かしたと思いきや、その事件から発展して更なる事件へ。その展開していく過程が面白かったわ!
ゲンキ君::死体を見つける南風原そして探偵したい南風原だけど頭が冴えてるのは生木、というホームズ役とワトソン役がどっちがどっちだか分からないデコボコの二人の関係性も面白かったガルね!
亮人::死体発見を引き付ける特殊能力が、南風原じゃなく、生木の苦悩につながっていくというラストも面白かったわ!
ゲンキ君::続巻もあるみたいなんで、次にどこかに出店されるときに、絶対にゲットしに行かないといけないガルね!!
亮人::あともう一つ絶対に言っておかないといけないのは、価格!これ一冊100円やってんよ!?そんなことある?
ゲンキ君::カラーじゃない、文集っぽいシンプルな印刷製本といえど、この内容で100円は安すぎガル!!!
亮人::クオリティから言ったら、もっと何倍もの値段を付けてええと思うわ!!
ゲンキ君::そういう意味でも「買い」な本だガルね!
亮人::一冊100ページ前後と手に取りやすいのもええ感じやしな!次の、冬の文フリ京都か、来年の文フリ大阪か、絶対に白樺あじとさんの他の本も全作品買う決意が今固まったわ!!
ゲンキ君::そうだガル!!ところで、このブログも研究会と名乗るからには、部誌とかは作らないガルか?
亮人::そうやなー。作ってもいいけど、続かへんやろ。「部誌に二号はない」って言うしw
ゲンキ君::「武士に二言はない」だガル!もっとヤル気だすガル!
亮人::「部誌は書かねぇぞ他用事」!!いぇあ!!ww
ゲンキ君::「武士は食わねど高楊枝」みたいなノリで言われても。なんでそんなに偉そうだガルか!?
亮人::そうやなー。偉そうより、もっと対等(帯刀)でいかなな!武士だけにw
ゲンキ君::へりくだれー!もうやめさせてもらうわん!ガルガル!!
★★★★★
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あずみ・堺屋皆人・森村直也・柳川麻衣『城崎にて?—We stayed at Kinosaki Onsen to write fiction.』


作者:あずみ・堺屋皆人・森村直也・柳川麻衣
出版社/メーカー:あずみ(編)
発売日:2018/07/16
メディア:その他

あらすじ
志賀直哉の小説「城の崎にて」が生まれた兵庫県城崎温泉の名旅館「三木屋」に、2018年1月、創作文芸のお仲間と一緒に泊まり、この経験をもとに、有志で作品集をつくることになりました。
しかし、参加者が普段書いているジャンルは、ミステリ、SF、純文学… とバラバラ。
同じ材料を使って、何通りの「城崎にて」が仕上がるのか…。
それぞれの調理のクセやジャンルの特性、風味や触感の違いを、ご堪能ください。

亮人::どぅおもー!漫才風読書感想でーす!
使い魔・ゲンキ君::今回は、文フリで買った城崎アンソロジー『城崎にて?』だガル!
亮人::文フリで買った同人誌だから、はまぞうとかアマゾンデータもないけど、漫才風読書感想はちゃんとやるでー!
ゲンキ君::志賀直哉で有名な兵庫県北部の城崎温泉に、実際に創作仲間で旅行に行って、それを元に小説を書いて競作アンソロジーにした一冊だガル!
亮人::おもしろい企画やなー!
ゲンキ君::純文学ありSFありミステリあり私小説ありのバラエティに富んだ一冊になってるガル。
亮人::いろんな話が入っててお得やなー!どれも面白かったし!
ゲンキ君::それではそれぞれの短編に行って見ようガル!

  • 森村直也「城崎ヴァーチャル」

亮人::一短編目はSFやでー!近未来のVRで行く城崎や。
ゲンキ君::技術者のカノジョのほうは実際に城崎温泉を歩いてる。カレシのほうが、どこかからVRゴーグルを被って遠隔のヴァーチャル城崎で隣を歩いてるガル。
亮人::それには意外な秘密があるんよな。
ゲンキ君::未来の輝かしい技術だけじゃない、ビターな内面があるんだガル。
亮人::仮想空間と現実のちょっとした違い、幸福と一寸先の闇のちょっとした違い、二つの対比が暗く鮮やかなテーマとして描かれてたわ。
ゲンキ君::温泉自体が、旅行の陽の面もあれば、湯治とか陰の面もあるガルしね。
亮人::そういう部分を上手く切り取ってるのが面白かったわ!

  • あずみ「城のさき」

亮人::お次は純文学。
ゲンキ君::かつて同じマンションで住んでいたママ友6人が久々に集まって城崎旅行する話だガル。
亮人::子供が小さかったころに同じマンションのママ友同士だったけど、子供が別々の進学先に行ったり引っ越したりして、ちょっと疎遠になったけど、久々に集まって旅行に行ったって感じやな。
ゲンキ君::子供も手が離れて、ちょっと奮発した旅行だガル。
亮人::小心な主人公は、当時はママ友特有の人間関係を気にして小さくなって過ごしてたんやけど、年を重ねていろいろな変化もして素直になれたり、違う人間関係になってたり、心の動きの描写が上手かったわ。
ゲンキ君::御主人、意外にギスギスした人間関係の話が好きだガルもんねーw
亮人::まぁ好きやけど、本作はそこまでギスギスしてないやん!ちょっと小心で深く考えすぎてただけで。
ゲンキ君::読ませる内容だったガル。
亮人::あとはタイトルのダブルミーニングも内容と相まって上手いよなー!
ゲンキ君::「きのさき」の「さき」を暗示させる終わり方だったガル!
亮人::いろんなことがあるけど、前向きな、いい話やった!

  • 堺屋皆人「『城の崎にて』殺人事件」

亮人::お次は、ミステリ!志賀直哉の「城の崎にて」の見立て殺人やで!!
ゲンキ君::作者さんは『江戸川悠の考察教室』という文学作品考察×ミステリのシリーズを自分のサークルで書いておられる方で、この短編はそのシリーズの番外編でもあるガル!
亮人::志賀直哉の「城の崎にて」では、事故の怪我を療養中の主人公が城崎温泉で蜂・鼠・イモリと順番に死を見ていく話やけど、本当にそのとおりの見立て殺人事件が起こるねん!!
ゲンキ君::舞台も志賀直哉自身が逗留した高級旅館・三木屋だし、もうなにもかもそのままだガル!
亮人::ミステリとしての解決も、ちゃんとフーダニットを綺麗に一人に絞っていく流れで良かったよな!
ゲンキ君::ただ動機がね。。。
亮人::鼠さんとイモリさんが殺された動機はまあ真っ当なんだけど、あとの一人が。。。
ゲンキ君::蜂さん、とばっちりで可哀想だガルw
亮人::あとは旅館の蟹料理の描写とかも濃密で良かった!ヨダレがでそうやったわw
ゲンキ君::さすが実際に行って書いてるだけあるガル!

  • 柳川麻衣「城崎感傷旅行」

亮人::最後の作品は、旅エッセイ風私小説や。
ゲンキ君::今回の取材旅行のことを楽しく書いていくと同時に、カットバックで過去の思い出も入ってくるガル。
亮人::過去の思い出から、17歳から今まで何をしてきたのかっていう疑問が浮かび上がってきて、それが読者にも身につまされるんよ。
ゲンキ君::短い作品だけど、考えさせられたガルね。
亮人::ところで城崎温泉ってええよなー。オレも、親戚がむかし城崎温泉で旅館をやってたんで、子供のころとか時々つれてもらってたわ。蟹と温泉。ええなー。そして城崎温泉といえば「外湯めぐり」やよな!
ゲンキ君::旅館についてる大浴場温泉以外に、七つの温泉浴場が外にあって、それを浴衣で周るんだガル。今は旅館の客はパスだけ持っていけば、お金も持たずに外湯に行けるサービスもあって、便利になってるガル。
亮人::♪外湯~めぐりの~パスは~失くす~♪(岬めぐりのバスは走る)
ゲンキ君::急に替え歌だガル?山本コータローとウィークエンドの「岬めぐり」って古いガルねー!?
亮人::♪ぼくは~どうして~イキって~ゆこう~♪(ぼくはどうして生きてゆこう)
ゲンキ君::イキリオタクやめなさいガル!
亮人::♪お刺身~深く~風呂に~沈めたら~♪(悲しみ深く胸に沈めたら)
ゲンキ君::沈めるなー!
亮人::♪この旅~終えて~ツイッターに~あげようw♪(この旅終えて街に帰ろう)
ゲンキ君::炎上しろー!!もうやめさせてもらうわん!ガルガル!!
《参考資料BGM》

"岬めぐり,Misaki Meguri",Folk music,1974 (Vocaloid2 ver)

収録作

  • 森村直也「城崎ヴァーチャル」
  • あずみ「城のさき」
  • 堺屋皆人「『城の崎にて』殺人事件」
  • 柳川麻衣「城崎感傷旅行」

★★★★☆

『邪神ちゃんドロップキック』全11話

邪神を召喚した女子大生・ゆりねを中心としたギャグアニメ。結構おもしろかったな!邪神ちゃんが悪事をして、ゆりねがお仕置きをするっていうパターンは、毎回グロかったけどw 邪神ちゃんは、ラブライブサンシャインの金髪の中の人かー。はっちゃけた演技で良かったな!他のキャラクタも可愛かったしw 特に邪神ちゃんと共依存メデューサがいいキャラ!まんまDV男と貢いで庇う女の関係で笑ったw ワッカを失くした天使のぺこらちゃんも独特の声で可愛かったし。そしてネットではなぜか邪神ちゃんがVTuber活動してるのも笑ったw

夕凪悠弥『恒星間航宙艦ゆりかご停泊記 走れ、ラブレター!』


作者:夕凪悠弥
出版社/メーカー:オービタルガーデン
発売日:2017/04/01
メディア:文庫判(A6)

あらすじ
「となりのナツお兄さんがひっこしちゃったみたいなの!」
親友きりねの恋のピンチに、こはな、みさき、ゆずほの3人が立ち上がる。お兄さんはどこへいった?どうやって連絡を取ろう?知恵と勇気を出し合って、4人のちいさな冒険が今始まる!
地球外惑星にたどり着いたクレイドル級恒星間航宙艦3番艦“ゆりかご”を舞台に、少女たちが駆け回るほんわか日常系SF。

亮人::どぅおもー!漫才風読書感想でーす!
使い魔・ゲンキ君::今回は、文フリ大阪でゲットした小説同人誌だガル!
亮人::事前にカタログでチェックしてた本じゃなくて、会場のサンプル展示ブースで見てヒトメボレして買った本なんよー!
ゲンキ君::なんと言ってもこのイラストがキレイだガル!
亮人::そうそう!この美麗なイラスト表紙の装丁で、400円とか安すぎでしょ!
ゲンキ君::中の挿絵も一枚一枚丁寧に描かれていたガル!
亮人::そしてヒトメボレは内容もやで~。
ゲンキ君::大きなあらすじは、引っ越してしまった憧れのお隣のお兄さんを探して手紙を渡すという冒険に出かける小学生の仲良し4人組の話だガル。
亮人::この、ゆるい日常系みたいな冒険がええんよ!女の子4人のワチャワチャ!応援したくなる話!しかしそれだけじゃない。
ゲンキ君::冒険のバックボーンとなる舞台が特殊だガル。じつはこの街は、巨大宇宙艦艇の中!?宇宙移民を乗せた恒星間航宙艦として、もう別の星系の衛星付近に停泊中なんだガル。
亮人::他にも、通信機器や移動手段など、SFのガジェットがいっぱい!熱い!!やっぱりSF最高や!
ゲンキ君::巻末にはSF用語解説集も併録されてるガル。
亮人::しっかり世界観が組み立てられてて、これも熱い!
ゲンキ君::このSFの世界観を共通のバックボーンとした長編も執筆中らしいガル!
亮人::なんでも、移民宇宙艦が降り立った惑星は剣と魔法のファンタジー世界観の惑星だったという話らしい。異文化が衝突する話かな?これは本になったらまた買うしかない!
ゲンキ君::これからの文フリも注目しないといけないガル!!
亮人::さて最後に、謎かけを一つ。
ゲンキ君::「漫才風」ということを忘れてて、最後に唐突にネタを入れ込むワケだガルね!?
亮人::「恒星間航宙艦」とかけまして!「とある内海にあるペンションのお土産売り場」ととく!
ゲンキ君::そのこころは?
亮人::どちらも「うちういみん(宇宙移民/うちうみINN)」で「かいたく(開拓/買いたく)」なるでしょう!!おあとがよろしいようで!
ゲンキ君::「うちうみINN」ってメチャクチャだガル!「宇宙移民」と掛け言葉になってるようで、文字が入れ替わってるガル!?文字が入れ替わっても意味が通じる「タイポグリセミア現象」ってあるけど、謎かけとしてコレでいいガルか?
亮人::移民だけに、もう「すんだ(住んだ/済んだ)」話よw
ゲンキ君::もうやめさせてもらうわん!ガルガル!!
★★★★☆
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坂永雄一・曽根卓・伴名練・皆月蒼葉『改変歴史SFアンソロジー』


作者:坂永雄一・曽根卓・伴名練・皆月蒼葉
出版社/メーカー:カモガワSFシリーズ Kコレクション
発売日:
メディア:文庫判(A6)

あらすじ
米ソの人工知能開発競争でソ連が勝利した世界、改変種の朝顔が江戸の文化と経済を激変させた世界、緑茶が強烈な依存性をもった薬物だった世界――流れを変えた歴史の果てに待ち受けるのは、未知にして異形の新世界の数々。第4期京都大学SF・幻想文学研究界の出身メンバーである、坂永雄一・曽根卓・伴名練・皆月蒼葉による書き下ろし小説、計4作品を収録した改変歴史SFアンソロジー

亮人::どぅおもー!漫才風読書感想でーす!
使い魔・ゲンキ君::今回は『改変歴史SFアンソロジー』だガル!
亮人::同人誌、個人出版本やな!同人誌でも漫才風読書感想はやるでー!
ゲンキ君::この前の文フリ大阪でゲットしたものだガル!
亮人::ツイッターのTLで流れてきてて絶対に欲しかったんよ!
ゲンキ君::この前のお盆の夏のコミケで発売されて、一日目で即完売したんだガルよねー?そして今回のは増刷分の第2版!
亮人::なんとしても欲しかったから、会場に入って走って一番に買いに行ったんよなー!!m9っ`・ω・´)
ゲンキ君::まぁたっぷり増刷してくれたみたいだから、そんなに走る必要はなかったようだけどねw
亮人::京大SF研OBのSF作家さんによるサークルだけに、「強大」な増刷力だったようやねw
ゲンキ君::増刷力って何だガル!?
亮人::あとこの本の話題性といえば、装丁やよなー!
ゲンキ君::ハヤカワ文庫SFにソックリ!
亮人::表紙イラストの雰囲気も、背表紙の青背も、裏表紙や奥付まで、完全にハヤカワや!
ゲンキ君::カモガワ文庫っていうネーミングも、ハヤカワを京都風にモジってて、良いガル!
亮人::それではこのへんで、各短編を見ていこか?

  • 曽根卓「緑茶が阿片である世界」

ゲンキ君::一編目は、曽根卓「緑茶が阿片である世界」だガル!
亮人::文字通り緑茶に幻覚作用がある世界の日本の歴史を辿る話やね。幻覚作用はあっても依存性はないと日本人は言い張ってて、茶道が神性を帯びた文化になってたり。
ゲンキ君::通常の日本史世界史との微妙なズレが楽しいガルね!
亮人::ボストン茶会事件千利休など、お茶がポイントの歴史ワードをことごとく改変していくスタイルw しかも最後の悪ふざけ一歩手前の茶柱ネタも、これはひどすぎるw 好き!
ゲンキ君::ネタが濃すぎて、御主人もボケる隙がないガルねw
亮人::ということで、次の短編へ。

  • 皆月蒼葉「江戸の花」

ゲンキ君::二編目は、皆月蒼葉「江戸の花」だガル!
亮人::作者さんは「第3回創元SF短編賞 大森望賞」受賞の人やね。
ゲンキ君::普通にSF作家としてデビュウしてる人ばっかりというのが凄いガル!
亮人::このタイトルからしブルース・スターリングのオマージュで素敵よ!
ゲンキ君::朝顔油と蜜蝋を燃料とした絡繰力車が走り、蜂による計算機と通信機が発達した、異形の江戸スチームパンクだガル!蒸気じゃないけど、スチームパンクの雰囲気満々の改変歴史!
亮人::朝顔の花に錦絵が浮かび上がる花絵と消えた錦絵絵師を巡る陰謀。ストーリーテリングも面白い!けどなんといっても、この大江戸の世界観が素敵!
ゲンキ君::蜂が伝書鳩より正確な通信機になるのは分かるけど、計算機にもなるって発想が素晴らしいガル。
亮人::養蜂だけに、蜂の「用法」がスゴイw
ゲンキ君::ハチミツ並みに甘甘なボケだガル。次!

  • 坂永雄一「大熊座」

ゲンキ君::三編目は、坂永雄一「大熊座」だガル!
亮人::作者さんは「第1回創元SF短編賞 大森望賞」受賞の人。創元SF短編賞って、非常に厚いSF人材を輩出してるなー!
ゲンキ君::本短編は熊の話だガル。
亮人::コロラドの熊がおかしな行動をしているとのことで調査に向かう学者二人。そこで異様な光景を目撃する。しかしキモになるのは、熊のほうじゃなくて、人間のほうで……。
ゲンキ君::ショートショート的なオチが改変歴史のネタに直結しており、これ以上ネタバレできないガル!
亮人::テリー・ビッスンっぽい話かと思ったら、こういう改変歴史もあるのかと唸ったね!面白かった!

  • 伴名練「シンギュラリティ・ソヴィエト」

ゲンキ君::最後の短編は、伴名練「シンギュラリティ・ソヴィエト」だガル!
亮人::作者さんは「第17回日本ホラー小説大賞短編賞」を取って『少女禁区』という単著もあって、いろいろなSFアンソロジーにもいっぱい掲載されてる人やな。
ゲンキ君::東西冷戦で、史実では宇宙開発競争をしたが、本編ではソ連だけAI開発に注力しシンギュラリティを迎えてるという設定だガル。
亮人::人民の脳の半分ずつを計算資源として供出させてたり、党員専用の拡張現実を駆使したり、異形のソ連が面白い!この発想力に驚嘆やな!
ゲンキ君::ストーリーテリングも、スパイ物だったり、シンギュラリティのキーとなる過去を探る物語だったり、面白かったガル!
亮人::あと細かなところだけど、史実の東西冷戦で宇宙開発競争してアメリカが勝つというエピソードが、入れ子構造で挿入されてるのも、面白かったわ!
ゲンキ君::ところで御主人は最近、創作の案を練ってるらしいガルけど、もしオルタネート・ヒストリー(改変歴史)モノを書くとしたらどんなテーマがいいガルか?
亮人::そうやなー。イルカが地球の一番の知性として君臨してるオルタネート・ヒストリーとかかな!
ゲンキ君::イルカの知性はスゴイ高いガルからねー。
亮人::でもその場合、オルカが主人公やで!絶対に!オルカがおらんかったらブチギレるよ!
ゲンキ君::オルカって、シャチの仲間の?なんでそんな、こだわりが?
亮人::これがホントの「オルカねぇとヒステリー」wwなんちゃって!
ゲンキ君::そんなボケするやつ、おるかー!?ってもうやめさせてもらうわん!ガルガル!!

収録作

  • 曽根卓「緑茶が阿片である世界」
  • 皆月蒼葉「江戸の花」
  • 坂永雄一「大熊座」
  • 伴名練「シンギュラリティ・ソヴィエト」

★★★★★

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ジュラシックcafe~文フリ大阪~葉ね文庫~しらたま~カフェ

大阪でデートしてきました!
まずは心斎橋駅で待ち合わせ。そのままジュラシック・ワールドcafeへ!『ジュラシック・ワールド/炎の王国』公開記念のTHE GUEST cafe&dinerさんによる期間限定コラボカフェ。11時openだけど、10時から並んだ!もちろん先頭w ちょっと張り切りすぎたかな?でも数十分したら、十数組が列に並んできたし!?やっぱりジュラシックは人気ですな!そしてopen時間になって店内へ。店内は白亜紀のジャングル風で、しかも恐竜もいっぱい!これはワクワクですな!もちろん等身大のブルーちゃんもいたし!料理注文したのは「大噴火!ボルケーノカレー」と「力みなぎるワイルドプレート」、ドリンクは「ダイナソーカフェラテ」「モササウルスソーダ」を頼んだ。ボルケーノカレーは、炎の王国の火山をかたどったカレー。辛さも適度にスパイシーで美味しかった!ワイルドプレートは、ポークやチキンや骨付きソーセージにサフランライスが乗ったもの。ワイルドな冒険みたいなワンプレートで、美味しかった!カフェラテは、ラテアートのランダムがモササウルスだった!ソーダもモササウルスの飾りつけがされており、モサさん大好きにとってはラッキー!ドリンクメニューには、コースターがついており、オレらはティラノサウルスとアンキロサウルスだった。オレは鎧竜好きだから、アンキロサウルスいただいた!恐竜の被り物で写真スポットもあり、本当に楽しい空間だった!!

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お次は本日のメインイベント、文フリ大阪!初参戦!去年までは堺の中百舌鳥だったけど、今年から天満橋のOMMビルになったんだよな。より都会で便利になったね!地下鉄の駅直結で、今日のような雨でもOKだし!それにしてもウワサには聞いてたけど、文フリって活気のある楽しいイベントだねー!若い勢いのある創作者から、だいぶ年上の歌集を売る人まで、多種多様。買い物客も、子連れのカップルから70代くらいのおばあさんまで。すごい!売っている物も、大学の部誌、キレイに印刷された文庫本から、コピー本一本で勝負してるブースもあり、商業本と遜色ないハードカバー、ラブドールの写真集や同人ゲームアニメ、巻物、グッズ小物、評論雑誌、いろいろ何でもアリのカオスな楽しい空間!うっとり!広いし、エネルギーが充満してるので、歩き疲れたよw
そしてオレの釣果!

  • 坂永雄一&曽根卓&伴名練&皆月蒼葉(カモガワSFシリーズKコレクション)『改変歴史SFアンソロジー
  • ロバート・J・ソウヤー(はるこん実行委員会)『見上げてごらん。』
  • 森村直也&あずみ&堺屋皆人&柳川麻衣(冬青)『城崎にて?』
  • 夕凪悠弥(オービタルガーデン)『走れ、ラブレター!』
  • 白樺あじと(シーラカンスバカンス)『ミステリーな君に』
  • 白樺あじと(シーラカンスバカンス)『南風原と生木の探偵ごっこ』

『改変歴史SFアンソロジー』!第一の目的だったこの本がゲッターできてハッピー!売り切れないか心配してたんだけど、今回は大量に在庫を用意してくれていたらしい。このお盆のコミケで完売して、これは増刷2刷だったみたい。京大SF研OBのSF作家さんによるサークル。ハヤカワ文庫SFにソックリな装丁が素敵!『見上げてごらん。』!SFイベント「はるこん」で、ゲスト海外作家の本を毎年出してるやつ。はるこんは関東だから毎年行けないけど、この機会に一冊は欲しいと思ってゲッター!ソウヤー好きだからコレを選んだ!銀背ソックリな装丁が素敵!色々話さしてもらってたら、ソウヤーのサイン入りを奥から出してくださったので、それを購入さしてもらった!『城崎にて?』!実際にメンバーが城崎旅行されて、競作された城崎アンソロジー。SFありミステリあり純文学ありのアンソロジーらしい。志賀直哉の「城崎にて」が好きだし、城崎温泉自体も好きなので、問答無用で買いました!『走れ、ラブレター!』!恒星間航宙艦内での少女たちの日常系SFって時点で心の琴線に触れまくりだし、イラストも一目見て好きだったので、現場でヒトメボレでゲッター!あと帰ったあと、作者の夕凪悠弥さん(@yu_nag)とイラストの猫月ユキさん(@yukinkzk)にツイートRT反応してもらえてて、こちらも嬉しくなった!『ミステリーな君に』と『南風原と生木の探偵ごっこ』!SYS文学分室・堺屋皆人さん(@minahiton)とシーラカンスバカンス・白樺あじとさん(@coelacanth_va)の合同ブース。これらは白樺さんの作品みたい。軽めなミステリ。店頭であらすじを書いてるボードを見せてもらって気に入って即買い!人気のサークルさんらしく、シリーズ目的で買いに来てる人や、早期に売り切れも続出だった!

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文フリの後は、中崎町の葉ね文庫さんへ。

葉ね文庫さんは、詩集や歌集に特化した古本&新刊の本屋さん。一緒の子がどうしても行きたいと言ってくれたので、急遽予定に組み込んだ!詩や短歌の店でも、オレは相変わらずSFを買いましたw だって初版オビ付だったんだもん!なぜか店の片隅でSFもちょっとだけ充実してたぞ!?小川一水野尻抱介や上田早夕里がなぜか固まって置いてあった!あとお会計の時に店主さんと少しお話もさせてもらって楽しかった!一緒の子が数日前に店主さんにツイッターのフォローしてもらったんですとか、小山力也さんの『古本屋ツアーイン京阪神』にも載ってましたよねとか、話さしてもらった!そしていつも丁寧にカバーをかけてくれるのも素敵!
お次は難波。難波グランド花月の近くの裏道にある「しらたま+」さんへ。前から行きたかったお店。その名のとおり、白玉の専門店!カラフルで丸々でメッチャかわいらしい!一緒の子はカラフル白玉、オレは抹茶きなこ白玉を頼んだ!美味しかったし、けっこうお腹にずっしりと来たよ!要予約で、プレートに好きなアニメの絵を描いてくれる「推し白玉」っていうメニューもあり、小さいけど面白いお店だよ!

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最後にオレら二人のお馴染みの店サンマルクカフェでトークをしつつ、地下鉄御堂筋線なんば駅にお見送りして、解散。
しかしオレの買い物はまだ終わらなかったw ブックオフ戎橋店に一人で行ったったw

東野司《ミルキーピア物語》6冊!ミルキーピア物語は、電脳世界のSF。前から欲しかったの!3巻と4巻だけが棚になかったので、追々コンプせねばならない!!!岬兄悟は、ノンシリーズの『風にブギ』と、《ラブペア》シリーズの2巻『女神にグッバイ』!ラブペアは、1巻だけ持ってるので、コンプ目指すぞ!
ということでオレも帰宅!非常に内容の濃い一日だった!満喫しまくりの満喫太郎だったw 買った本いっぱい読むぞー!!!