法月綸太郎『頼子のために』
- 作者:法月 綸太郎
- 発売日: 1993/05/06
- メディア: 文庫
あらすじ
「頼子が死んだ」。十七歳の愛娘を殺された父親は、通り魔事件で片づけようとする警察に疑念を抱き、ひそかに犯人をつきとめて相手を刺殺、自らは死を選ぶ―、という手記を残していた。手記を読んだ名探偵法月綸太郎が、事件の真相解明にのりだすと、やがて驚愕の展開が。精緻構成が冴える野心作。
「頼子のために(大嘘)」じゃねーか!みんな黒すぎる!いや最後に綸太郎が「頼子のために」って行動したけど。女子高生・西村頼子が通り魔に殺される。しかし父親は真犯人を突き止めて、復讐し、自殺を図る。そして残された父親の手記。だが綸太郎は手記に疑念を抱き、再調査を開始。この足で調査する探偵の姿は好感。ハードボイルドを志向した展開で読ませる。そしてたどり着いた真相。それしかないと思われた手記の内容が反転。ハードすぎる。不運から始まった不幸だけど、それでも家族みんな黒すぎる。最後の綸太郎の病室での行動も疑問。コナンでさえ「ピアノソナタ月光殺人事件」で決意したアレを探偵自ら手伝ってしまうなんて!?そんな探偵いいのか?