くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

酒井田寛太郎『放課後の嘘つきたち』

放課後の嘘つきたち (ハヤカワ文庫JA)

放課後の嘘つきたち (ハヤカワ文庫JA)

あらすじ
英印高校ボクシング部の寡黙なエース・蔵元修は、幼馴染で同級生の白瀬麻琴に誘われ、部活同士のトラブル解決を担う部活連絡会を手伝うことに。カンニング疑惑のある演劇部を探る修は、皮肉屋の部長・御堂慎司が黒幕だと推理するが…陸上部の幽霊騒動や映画研究会の不可解な作品改竄など、よく知るはずの放課後に潜む仄暗い謎と、その謎が呼び起こす修たち自身の嘘―高校生たちの成長と再生を綴る青春ミステリ連作集。

部活間の調整を行う部活版生徒会「部活連絡会」。運動系芸術系研究系の部の代表3人が部活連絡会として様々な問題を解決していく。一応、問題を解決していく日常の謎ミステリなんだが、それだけではなくキャラクタそれぞれに重すぎる過去があり、深いテーマ性を感じた。人は善悪の一面だけでは語れないというのは真理を付いてる。過去の重荷と共に生きていこうとする苦闘が胸打たれる。作者のデビュー作『ジャナ研の憂鬱な事件簿』も凄かったが、さらなる進化を感じた!これからも追っていきたい作家さんだ!
f:id:akito0526:20201122205624j:plain