『放課後探偵団2』
あらすじ
“響け!ユーフォニアム”シリーズが話題を呼んだ武田綾乃、『楽園とは探偵の不在なり』で注目の斜線堂有紀、『あの日の交換日記』がスマッシュヒットした辻堂ゆめ、スポーツから吹奏楽まで幅広い題材の青春小説を書き続ける額賀澪、“裏染天馬”シリーズが好評の若き平成のエラリー・クイーンこと青崎有吾。1990年代生まれの俊英5人による書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー。
10年ぶりに復活した、若手作家による学園ミステリのアンソロジー『放課後探偵団』の第二弾!今回は90年代生まれの作家さんばかり!若い!しかしハイクオリティな作品ばかり!思春期特有の過剰な自意識だったり、ガッツリ殺人事件だったり、青春の甘酸っぱさだったり。最高です!白眉は、重いテーマの「願わくば海の底で」。いろんな物語があって、それを一瞬で飲み込んだと思うと、涙しかない。
- 武田綾乃「その爪先を彩る赤」
演劇部の舞台用ブランド靴の盗難事件に個性的な二重人格探偵が挑む。武田先生といえば『響け!ユーフォニアム』の青春モノって感じだったが、ミステリも伏線をキレイに張って凄くいい!青春モノとしても、思春期特有の過剰な自意識の描写が上手い!
- 斜線堂有紀「東雲高校文芸部の崩壊と殺人」
2編目は殺人。文化祭で部誌の販売。まずまずの成功。これからも部を盛り立てていこうという時。夜の部室で部員が殺害される。商業デビューが決まっていた部員。推理も面白かったが、事件の締め方が独特なダークさ。これは癖になる!他の作品も読もう!
- 辻堂ゆめ「黒塗り楽譜と転校生」
中学の合唱コンクール。ヤル気のないクラスの面々。そんな中、クラス全員の楽譜が黒塗りにされるイタズラ。犯人は怪しい転校生?不穏な空気からの、上手い伏線で甘酸っぱいラスト!こういう日常ミステリもいいね!他の著作も読みたい!
- 額賀澪「願わくば海の底で」
外で読んでて涙が止まらなかった。多くは語れない。3.11。こうした人たちの物語があったんだろう。
- 青崎有吾「あるいは紙の」
校内での喫煙問題を追う新聞部の話。一度犯人を追い詰めて逃げられて、ロジックで再び追い詰める手法がいい!裏染天馬シリーズの番外編ということだけど、長編も読んでみたくなった!
収録作品
- 武田綾乃「その爪先を彩る赤」
- 斜線堂有紀「東雲高校文芸部の崩壊と殺人」
- 辻堂ゆめ「黒塗り楽譜と転校生」
- 額賀澪「願わくば海の底で」
- 青崎有吾「あるいは紙の」