- 作者:村上 龍
- 発売日: 2004/01/01
- メディア: 文庫
あらすじ
試合で活躍した選手が心臓麻痺で死ぬという事件が起こった。セリエAの日本人プレーヤー冬次の依頼で調査に乗り出した小説家・矢崎は、死を招く最強のドーピング剤「アンギオン」の存在を知る。イタリア、南フランス、キューバ…いくつもの罠が待ち受ける中、ついに冬次の身にも危険が迫る。サッカーの面白さと物語の興奮が融合した小説。
1999-00シーズンの伊セリエA。メレーニアの夜羽冬次は、未知のドーピングの噂を聞き、作家の矢崎に相談する。世界中を駆け回り調査。そしてセリエA最終節、ドーピングの陰謀が冬次に直接降りかかりながら、優勝と残留を賭けたユヴェントス戦が始まる。ということで凄かった!実際の試合以上の濃密な試合描写!さすがの筆力。興奮!ジダンが、デル・ピエロが、インザーギが!そして冬次の活躍!このラスト100ページのユーヴェ戦こそがこの小説の主人公だ。ドーピングやら旅先での陰謀やらは全て前座。だから全てに答えが出てない終わり方でも問題ないのだ。本当に一試合を観終わったような満足感!