くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

有栖川有栖『ロシア紅茶の謎』

ロシア紅茶の謎 (講談社文庫)

ロシア紅茶の謎 (講談社文庫)

あらすじ
作詞家が中毒死。彼の紅茶から青酸カリが検出された。どうしてカップに毒が?表題作「ロシア紅茶の謎」を含む粒ぞろいの本格ミステリ6篇。エラリー・クイーンのひそみに倣った「国名シリーズ」第一作品集。奇怪な暗号、消えた殺人犯人に犯罪臨床学者・火村英生とミステリ作家・有栖川有栖の絶妙コンビが挑む。

亮人::どぅおもー!漫才風読書感想でーす!
使い魔・ゲンキ君::今回は有栖川有栖先生の『ロシア紅茶の謎』だガル!
亮人::《火村英生と作家アリス》のシリーズ3冊目。そしてシリーズ内で特にエラリー・クイーンへのオマージュのタイトルがついた《国名》シリーズ1冊目やな!
ゲンキ君::どの話も読みやすく、しかも理論的なロジックで犯人まで辿り着く。スッキリ楽しく読めるミステリだガル!!
亮人::それでは各作品の感想に行くで~!

  • 動物園の暗号

ゲンキ君::動物園の猿山で、深夜に飼育員の遺体が発見される話だガル。
亮人::ってかこの動物園って、天王寺動物園か!!さすがに実名では書かれてないけど。
ゲンキ君::さすがに殺人事件が起こってしまうガルからねー。
亮人::イヤあの辺なんて、いつ事件が起こってもおかしくない治安w
ゲンキ君::イヤイヤ、あの辺も最近はキレイになってるから!星野リゾートのホテルも建つらしいし!まぁこの話題は置いといて。この事件の被害者の手には、謎の暗号が書かれたメモが握られていたガルよ。
亮人::ってかこの暗号、非常によくできてて面白いけど、こんなん解けへんよなーw
ゲンキ君::時刻表ミステリの、また違った形ガルね!

  • 屋根裏の散歩者

亮人::これも変則的な暗号モノやね。
ゲンキ君::アパートの大家は、店子の部屋を屋根裏から観察するという趣味を持っているガル。あるとき、店子の一人が通り魔だと発見した大家は、殺されてしまうガル。さてどの部屋の店子が犯人なのか?
亮人::大家の日記には店子一人一人について暗号みたいなニックネームが付けられているんやけど、どれが誰か分からへん。この暗号がまた!?タネを明かしてみたら、脱力ものw この発想はなかったわ!
ゲンキ君::屋根裏からの観察っていうのは、江戸川乱歩の『屋根裏の散歩者』へのオマージュでもあるガルな。
亮人::オマージュ元も未読だから、読んでみたくなったわ!

  • 赤い稲妻

ゲンキ君::マンションから外国人モデルが転落死するガル。密室からの転落なので、自殺の線で捜査をしていたが、火村英生は怪しい点を見つけるガル。
亮人::密室内にあるはずのないモノがあるんやんね。そこから捜査をしていくと、この外国人モデル、とある弁護士の愛人だったと。そしてその弁護士の元へ行くと、弁護士の妻も同日に交通事故死していたと。この交通事故も本当に事故なのか怪しいと。
ゲンキ君::さてこの絡まった糸を解きほぐすのが火村英生ガル!
亮人::犯人の追い詰め方がいいねー!この締め方は本当に上手い!「赤い稲妻」だけに、「赤い稲妻が犯人を責める~炎カラダ灼き尽くす」やねw
ゲンキ君::それは「青いイナズマ」だガル!
亮人::Get you!

  • ルーンの導き

ゲンキ君::ルーン文字の書かれた石を四つ握りしめて殺された被害者。このダイイングメッセージは何を意味するか、という話だガル!
亮人::ルーン文字というのは、1世紀頃にギリシャ文字ラテン文字や北イタリア文字などを参考にゲルマン語の発音体系に合うよう改変して成立した文字で、占いや呪術に使われたっぽいけど、実はよく分かってない文字のこよやな?
ゲンキ君::そのよく分からないモノがダイイングメッセージになるとかという謎ガル。
亮人::実はアレを意味してたんやなー!?これは読書家ならスグに分かるよねw
ゲンキ君::いやいや、普通分からないガルよ?出版関係者しか!
亮人::⊂二二二( ^ω^)二⊃
ゲンキ君::それは「ルーン」じゃなく、「ブーン」だガル!!もはや懐かしいネット用語で誤魔化すなガル!!

  • ロシア紅茶の謎

ゲンキ君::作詞家の男がパーティの最中に飲んだ紅茶で毒殺されるガル。でも紅茶はランダムに手に取ったもので、その他の紅茶や砂糖入れなどからも毒物は検出されない。はたして毒は誰がどこから?
亮人::これはトリックにビビったわ!?こんなトリックあり?犯人の胆力に驚嘆!!
ゲンキ君::そこまで度胸を出させるほどの殺意だったガルねー。
亮人::ロシア紅茶だけに、おそロシアw
ゲンキ君::これまたベタなネタだガル!次!

ゲンキ君::これは尼崎のアルカイックホールこけら落とし公演として作られた話を小説にまとめ直したモノだガル!
亮人::問題編が終わって解答編に入る前に「読者への挑戦」が入ってるやんけ!!これはオレも挑戦を受けて立とう!!推理してやるぜ!!
ゲンキ君::じゃあ、あらすじなどはスッ飛ばして、推理を聞かせてもらおうじゃないかガル?
亮人::第一の殺人は「矢島をそそのかして、やらせた。凶器は舞台の迫りに乗せて二階に飛ばした。そして二階の真犯人が隠した」。第二の殺人は「口封じ。あらかじめ毒を仕込んだタバコを渡していた」。ということで「三村」、犯人はお前だーーッ!!!!!
ゲンキ君::この推理が当たっているかどうかは、ぜひこの本書を手に取って確かめてみてほしいガル。たぶん的外れな推理と思うガルけどなww
亮人::これにて一件落着!ジッチャンはいつも一つ!!!
ゲンキ君::なにもうキメ台詞を言ってるガルか?しかもコナンと金田一少年をパクって混ぜたみたいなw
亮人::真実の名にかけて、ジッチャンはいつも一つ!!!!!
ゲンキ君::だからソレやめなさーい!もうやめさせてもらうわん!ガルガル!!

収録作品

  • 動物園の暗号
  • 屋根裏の散歩者
  • 赤い稲妻
  • ルーンの導き
  • ロシア紅茶の謎
  • 八角形の罠

★★★★☆