野尻抱介『南極点のピアピア動画』
- 作者: 野尻抱介,KEI
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/02/23
- メディア: 文庫
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使い魔・ゲンキ君::そうそう本書『南極点のピアピア動画』で採用されたガル!
亮人::ということで、献本が送られてきたので再読&読了!
ゲンキ君::あらためて読んでみても、ネット上の善意の技術力が集合して宇宙を目指す展開は胸熱なんだガルよ!
亮人::こんなん絶対泣くやん!どんどん可能性が広がっていくのが心地よい!
ゲンキ君::まずは連作短篇の第一話「南極点のピアピア動画」ガル。
亮人::月に隕石が落ちて、地球圏にホコリが舞ったので、宇宙開発が各地でストップ。でもそのホコリが地球に来て、降着円盤だか双極ジェットだかの効果でイイ感じに南極で上昇気流が出来ると判明。それに乗って宇宙にまで出てみようという計画を立てる。
ゲンキ君::ボカロで告白して、ボカロで宇宙へ行く、ロマンチックだガルね!
亮人::ちなみにピアピア動画は、ニコニコ動画が元ネタね。
ゲンキ君::P2Pからピアピアという名前が来てるらしいね。
亮人::投げ銭機能とか、より動画サイトの理想に近い形を描いてるね。
ゲンキ君::実際のニコ動は、シークバーで好きなところに早送りできなかったり、不満だらけだガルけどねw
亮人::一方で、ボカロも「初音ミク」じゃなくって「小隅レイ」!
ゲンキ君::翻訳家の「小隅黎」から取ってるのもSFファンに向けてニクイ演出ガルね!
亮人::小隅黎先生も「コズミックレイ(宇宙線)」が由来らしいし、まさに内容にもピッタリ!
ゲンキ君::表紙も含めて、楽しいガル!
亮人::第二話「コンビニエンスなピアピア動画」では、コンビニ「ハミマ」が出てきます。
ゲンキ君::「ハミングマート」ガル!これはファミマだガルね!
亮人::ハミマ入店音をキッカケに、店内の真空殺虫器からクモを発見する。
ゲンキ君::真空にも強く、炭素の糸を吐く、突然変異のクモだガル!
亮人::こいつを宇宙エレベータのビルダーに使ってしまおうという発想がスゴイ!
ゲンキ君::宇宙エレベータは、SFファンの夢だガルなー!!
亮人::第三話「歌う潜水艦とピアピア動画」では、ボカロを乗せた潜水艦で鯨と話をしようと試みる。
ゲンキ君::全体的に、アーサー・C・クラークの宇宙SFへのオマージュが感じられる本書だけど、鯨はクラークの海洋SFも感じられるガル!
亮人::鯨とコンタクトが取れたときは感涙しかけたよ。
ゲンキ君::そして最終話の「星間文明とピアピア動画」に繋がるガルー!!
亮人::詳しくは言わないけど、今までの連作短篇が全て繋がって、大きな話になっていくのは気持ちいいよなー!
ゲンキ君::ドワンゴ(作中では、ピアンゴ)がこんなに気概のある企業とは、美化されすぎな気もするガルけどなw
亮人::でも一見楽観的なんだけど、科学進歩に全幅の信頼を寄せる、作者含め各キャラクタのSF姿勢が素晴らしいんだよー!
ゲンキ君::そういう部分に、何度も泣いてたガルなw
亮人::オレこういう協力の上にプロジェクトが進んでいく展開に弱いんだよー!!
ゲンキ君::感動と爽快感は確かだから、これは全てのボカロを愛する人に読んでもらいたいガルね!!!
亮人::帯の文章を書いた責任者として、多くの人に買って読んでもらえるように、じゃんじゃんアピールしていきまっせ!