くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

横溝正史『本陣殺人事件』

本陣殺人事件 (角川文庫)

本陣殺人事件 (角川文庫)

あらすじ
柳家の当主賢蔵の婚礼をおえた深夜、人びとは、恐ろしい人の悲鳴と琴の音を聞いた。離れの座敷の新床の上に、血まみれになって倒れた新郎新婦。その枕元には、家宝の名琴「おしどり」と三本指の血痕の残る金屏風があった。……宿場本陣の旧家に起こった、雪の夜の惨劇を描いて、密室トリックに挑戦する表題作ほか、「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の二篇を併せて収める。

亮人::地元の図書館でミステリを語る会があるということで、ミステリを手に取ってみたよ!
使い魔・ゲンキ君::本当は、本陣殺人事件の動機が気になって手に取ったクセにガルー!
亮人::そうそう!「処女」じゃないから新婦を殺しましたってね。それが気になって本を出してきた!
ゲンキ君::なんという読書動機ガル!?
亮人::江戸時代は性に自由だったけど、戦前で貞操観念がっちがちになって、また昭和平成では性に開放的になって、最近はアイドルに神聖を求める風潮があったり、波のように揺り戻しがあるね。
ゲンキ君::一時おかしな動機と話題になったけど、最近はまた共感するオタクが増えてきてるのかもガル。
亮人::話をミステリの本道に戻そう。
ゲンキ君::横溝は、ディクスン・カーの密室モノに傾倒していたそうガルな。
亮人::そうそう!カーに影響されて本陣殺人事件を書いたとか。
ゲンキ君::日本家屋に密室を導入したというのが画期的だったガルね。
亮人::日本家屋はガッチリ鍵とかもない、ふすま障子の世界だからなー。
ゲンキ君::マッサラな雪に刺さる日本刀という情景も美しいガル。
亮人::でもこのトリック、今の目で見ると完全に「ピタゴラスイッチ」だよねw
ゲンキ君::それは言いっこナシだガルー!!
亮人::併録の「車井戸はなぜ軋る」も面白かったなー!
ゲンキ君::戦争で顔を負傷した復員者が果たして本人なのか、キリキリとした疑心暗鬼が読みどころガル!
亮人::ただ金田一耕助が最後まで出てこないのはご愛嬌w
ゲンキ君::孫の金田一少年やコナン君みたいな、事件を引き寄せる死神体質よりマシだと思うガルがね!
亮人::たしかにw
ゲンキ君::お次も併録「黒猫亭事件」ガル。
亮人::「顔のない死体」モノだな。
ゲンキ君::横溝自身が冒頭で「顔のない死体」モノは、加害者と思われる人が実は被害者で入れ替わって犯人は逃げているのが王道パターンと明言してるガルね。
亮人::あえて「顔のない死体」モノに挑んで、その王道パターンを超えてみせると宣言して書き始めてるのがカッコイイねー!!
ゲンキ君::しかもちゃんと意外な展開にして、パターンを超えてるのがスゴイガル。
亮人::話は変わるが「黒猫亭事件」は映像化されたときに、黒猫亭事件を表題作とした角川文庫が出てるらしいね。
ゲンキ君::レア本になってるらしいガルね!
亮人::それにしても「顔のない死体」モノを映像化するとは勇気あるねー。横溝「正史」だけに、顔のない死体は「正視」できない!なんちゃってw

  • 本陣殺人事件
  • 車井戸はなぜ軋る
  • 黒猫亭事件

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