- 作者: アイザック・アシモフ,池央耿
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1979/03/09
- メディア: 文庫
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あらすじ
アンドリュウの彫った木のペンダントは芸術の域に達するほどのものだった。だが、彼はロボットなのだ……USロボット社が彼を作った頃は、地球上にはほとんど数えるほのロボットしかいなかった。まだ実験段階にあった未熟なポジトロン頭脳が、およそロボット離れした才能を彼に付与したのだった。やがて彼は「人間」への道を歩みはじめる。法的自由を求め、衣服を求め、そして人間と寸分も違わぬボディを求めたロボットが人間となるために最後に求めたものは? 表題作ほか11編、巨匠アシモフの最新短編集!
「バイセンテニアル・マン」ほか11編。
ロボット物は読まず嫌いだったので、初アシモフ。傑作と名高い「バイセンテニアル・マン」は読んでおきたいと思い、古本屋で見つけて飛びついた。データは創元SF文庫のものだけど、実際に読んだのは初版の創元推理文庫SFマークのもの。
表題作、本当に傑作だった!芸術の才能を見つけてもらったロボット・アンドリュウが、人間への道を求めて一歩一歩進んでいく話。ラスト近くのアンドリュウが「バイセンテニアル・マン(二百年の人)」という言葉で呼んでもらった時の機微とか、じーんと心動かされた。また家族の優しさもいい。そしてほかの「女の直観」「三百年祭事件」などのロボット短篇もいいが、それ以外のテーマの作品も素晴らしかった!海中都市と月面都市の軋轢を描いた「ウォータークラップ」や、人口増大食糧問題への対策を皮肉的に切り取った「篩い分け」、ブラックホールと通信に関するテーマで宇宙SFへ真正面から挑んだ「前世紀の遺物」など、次々と出てくる発想も面白かった。
- 男盛り
- 女の直観
- ウォータークラップ
- 心にかけられたる者
- 天国の異邦人
- マルチバックの生涯とその時代
- 篩い分け
- バイセンテニアル・マン
- 聖者の行進
- 前世紀の遺物
- 三百年祭事件
- 発想の誕生