- 作者: 筒井康隆
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1986/05
- メディア: 文庫
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あらすじ
(あのですね)誰もが日常さりげなく
(その時点で)口にする表現を
(ひとことで言って)研ぎ澄まされた
(やっぱり)言語感覚で分析し
(どうも)そこにひそむ心理を
(わたしって意外と)容赦なくあばく
(極端にいえば)恐怖の現代日本語考
(と言いたい)……
ことばは怖い、怖いはことば
ツツイ先生の80年代のエッセイ。書き下ろしの「現代の言語感覚」に圧倒!「〜と言いたい」「わたしって意外と」「ひとことで言って」「前向き」など、現代人が何気なく使っている言葉を、どういう心理から使っているのか徹底的に考察する姿勢が凄まじい。このしつこい(大阪弁で言うと、いちびりな)性格が先生らしいwあとは、先生の諸作品にも通じる「ハナモゲラ語」(架空テキトー言語?)を考察しているのも興味深い。演劇やマスコミや読書観についてのショートエッセイも、面白く熟読してしまった。とくに「青春時代の読書」は全読書人必読!
- 現代の言語感覚
- あのですね/どうも/そうですね/極端(端的)にいえば/やっぱり/その時点で/と言いたい/と言うと嘘になりますが/わたしって意外と/よろしいんじゃないですか/べつに/ずばりうかがいますが/ひとことで言って/あなたにとって○○とは/とでも言うのだろうか/わけ/ちょっとひとこと/前向き
- 虚構におけるハナモゲラの自己完結性
- 歌唱曲の奇怪なイメージ
- 言語感覚とメディア
- パロディと虚構性
- 超虚構宣言
- 外部からの圧力内部からの圧力
- 教育目的の美名の下に改竄は許されるか?
- 真実の文学
- ある文学的伝統
- プライベート世界史
- マリオ・バルガス=リョサの『緑の家』
- マルケス―やりきれなさの文学
- まわり道
- 芝居の楽しみ
- 漸進
- 幕間礼讃
- 演劇とトリックスター
- 川和さんのこと
- ついに体が動き出した
- しあわせ座長
- 三人の男とひとりの女
- 限定されない科白
- 紙不足による不安感
- インタヴューアー心理
- 選んでかすをつかむ
- サミット前夜
- 同窓会
- 過剰適応
- 泥棒から税金
- 不用意な発言
- ホーム・ドラマ
- はがきか電話か
- 喪中につき
- 甲子園の一件
- A型社会の弊害
- 筒井康隆に25の質問
- 私のオールタイムベスト10
- 青春時代の読書
- 私の処女作―文部大臣のお話
- 最初の記憶
- 人生の設計
- 漫画修行
- タンク・タンクロー讃
- サム・スペード
- 想い出のボギー
- こんなふうに外国テレビ映画を見ている
- 情景描写とミステリイ
- 私の泣きどころ
- 困った電話
- オーディオを語る
- 神戸からの手紙
- 霊感のつかみ方
- 「おもろ」がる精神―『田辺聖子長篇全集』解説