くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

ハリイ・ハリスン『テクニカラー・タイムマシン』

あらすじ
倒産寸前の映画会社クライマックスは、わらにもすがる心境で市井の科学者の手になるタイムマシンにとびついた。ロケ隊を11世紀に送り込み、大スペクタクル大迫力ヴァイキング映画を製作しようというのだ。しかしいざ撮影を開始するや見込み違いが続出、本物のヴァイキングに襲撃されるは、主演男優は負傷するは、窮余の一策にと現地人を代役に仕立てれば濡れ場で本番をやらかす始末。しかもあれやこれやが重なって完成予定日にまにあわせるのは絶望的、クライマックス映画社の命運はここに尽きたかに見えたが――才人ハリスンの放つ軽妙洒脱な傑作ユーモアSF!

倒産間近の映画会社が、経費削減映画を短時間で撮るために開発中タイムマシンを利用し11世紀のヴァイキングをタダ働き(報酬は蒸留酒ジャックダニエルウイスキー)させるお話。結構なドタバタで楽しい!タイムパラドックスなんて気にせずにバンバン歴史に介入して、ヴァイキングに新大陸を発見させるスペクタクル映画を悪戦苦闘しながら撮る姿は笑える!時間SFの緻密さを捨ててるのかと思ったら、ラストでロジカルな「存在の環」が出てきたりニクイ演出も忘れずに好感。挿絵のモンキーパンチ氏もいい味で彩りを添えている。楽しいエンタメで傑作級の時間SFでした!
★★★★★