- 作者: 豊田有恒
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 1974/10
- メディア: 文庫
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あらすじ
ふてくされて絶食中の犬が咥えてきた変な鳥。それは何万年も前に絶滅したはずの始祖鳥だった。驚いたぼくの眼前に、銀色服の見知らぬ男が……。犬小屋に仕掛けられた“タイム・ケンネル”でぼくが連行されたのは、何と23世紀!この世界でぼくは映画の製作を手伝った。“英雄の生涯”がテーマだったが、特撮した実物の英雄が醜男や、オカチメンコで話にならない。そこで、ぼくが教えてやった奥の手は?ユーモラスに世相を風刺した傑作SF、ほか7篇収録。
豊田有恒の時間SF中心の作品集。おもしろい!綿密な歴史リサーチと素晴らしいアイデア。これさえあれば、とくに思弁性が高いSFではないけど、滅法おもしろいのだ!!表題作は、タイムトンネルとケンネルのもじりから、未来世界と保元の乱にまで発展する大混乱。すごいストーリーの飛躍で楽しい。「プリンス・オブ・ウェールズ再び」が、オールディスの「リトル・ボーイ再び」への意趣返しのためだけに書かれたってのもおもしろい。世界中に火種をばら撒いたブリカスだから、しょうがないけどね笑。 あと小松左京の変わった趣向の巻末解説も楽しい。一読の価値アリ!
- ボーリング・ボーリング
- 地震がいっぱい
- シナリオ製造します
- タイム・ケンネル
- 異聞昭和元禄
- 便利な恋人
- プリンス・オブ・ウェールズ再び
- 降るあめりかに