くじら座タウ星府立大学SF研究会

主に読書(SF中心)について書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。

豊田有恒『タイム・ケンネル』

あらすじ
ふてくされて絶食中の犬が咥えてきた変な鳥。それは何万年も前に絶滅したはずの始祖鳥だった。驚いたぼくの眼前に、銀色服の見知らぬ男が……。犬小屋に仕掛けられた“タイム・ケンネル”でぼくが連行されたのは、何と23世紀!この世界でぼくは映画の製作を手伝った。“英雄の生涯”がテーマだったが、特撮した実物の英雄が醜男や、オカチメンコで話にならない。そこで、ぼくが教えてやった奥の手は?ユーモラスに世相を風刺した傑作SF、ほか7篇収録。

豊田有恒の時間SF中心の作品集。おもしろい!綿密な歴史リサーチと素晴らしいアイデア。これさえあれば、とくに思弁性が高いSFではないけど、滅法おもしろいのだ!!表題作は、タイムトンネルとケンネルのもじりから、未来世界と保元の乱にまで発展する大混乱。すごいストーリーの飛躍で楽しい。「プリンス・オブ・ウェールズ再び」が、オールディスの「リトル・ボーイ再び」への意趣返しのためだけに書かれたってのもおもしろい。世界中に火種をばら撒いたブリカスだから、しょうがないけどね笑。 あと小松左京の変わった趣向の巻末解説も楽しい。一読の価値アリ!

★★★☆☆