くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

グラント・キャリン『サターン・デッドヒート』

サターン・デッドヒート (ハヤカワ文庫SF)

サターン・デッドヒート (ハヤカワ文庫SF)

あらすじ
土星の衛星イアペトゥスで、異星人の遺物が発見された。スペースコロニーにある大学の考古学教授クリアスらが表面の図形を解読した結果、驚くべきことがわかった。土星近傍には同じような物体がいくつか隠され、その指示に従えば、異星人が太陽系に残した“贈り物”のありかがわかるというのだ。クリアスは無限のテクノロジーをコロニーのものとすべく旅立ったが、この情報を入手した地球側も急遽宇宙船を派遣。かくして宇宙船同士の白熱したレースが、苛酷な環境の土星系で展開されることになった。最新の科学情報を存分に駆使したファン待望のニュー・ハードSF登場。

正統派・土星探索冒険SF。土星の衛星から発見されたメッセージプレートを頼りに、タイタンから果ては土星のガス大気の中まで、縦横無尽の大冒険。胸躍らざるをえないでしょ!歴史学教授と天才少年のコンビの年齢を超えた友情も読みどころ。別れあり丁々発止のやりとりありで、往年のライトノベルの感もあり楽しい。土星の、圧倒的ヴィジュアルの壮大さと、科学的描写のハードSF成分も、読み応え充分。たのしいエンタメ宇宙SFでした!
追記:それにしても、40男ホワイティ教授(クリアス)と天才少年ジュニアの友情が、超友情(=BL)に見えたんだけど、オレが色眼鏡で見すぎてる?恋人と別れて、遠く離れたジュニアのところへ向かうし。クライマックス、土星のガスの中に宇宙船で突っ込むという危険任務から生還してベッドの上のホワイティに、ジュニアが「絶対に絶対にぼくを置いてあんなことをしにいかないでね」って言いながら泣きながら額にキス!?これは腐認定せざるをえないでしょ。いや、80年代ハヤカワ文庫の正統派宇宙SFでサイコーにエンタメなんだけどね。
★★★★★