くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

グレッグ・イーガン『白熱光』

あらすじ
はるかな未来、150万年のあいだ意思疎通を拒んでいた孤高世界から、融合世界に住むラケシュのもとに、使者ラールがやってきた。衝突事象によると思われる惑星地殻の破片が発見され、未知のDNA基盤の生命が存在する可能性があるというのだ。その生命体を探しだそうと考えたラケシュは、友人パランザムとともに銀河系中心部をめざす! 周囲を岩に囲まれ、〈白熱光〉からの熱く肥沃な風が吹きこむ世界〈スプリンター〉の農場で働くロイ--彼女は、トンネルで出会った老人ザックから奇妙な地図を見せられ、思いもよらない提案をもちかけられるが……現代SF界最高の作家による究極のハードSF。

相変わらず果てしなく堅牢な難読ハードSFでしたが、理論抜きでも楽しめました!科学理論は初めから諦めて、巻末解説のネタバレ問題提起まで読んでから、本文に挑みました笑。奇数章は『ディアスポラ』、偶数章は『竜の卵』、の趣き。特に偶数章の、異星生物が独自の文化レベルの概念だけで特殊宇宙の物理体形を作り上げていく様(しかも投石だけで!?)は、感動的だった(ほとんど何言ってるか分からなかったけどw)。偶数章と奇数章を通して描かれる「未知の科学へ挑む姿勢」はSFのあるべき姿だ!偶数章と奇数章のストーリイの筋はイーガンらしく一筋縄ではなく結局ひとつになることはないが、クロスオーヴァを匂わす描写がシッカリ書かれており興奮が止まらなかった!
★★★★★