くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

グレッグ・イーガン『順列都市(下)』

順列都市〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

順列都市〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

あらすじ
ソフトウェア・デザイナーのマリア・デルカは、思いもよらぬ申し出を受けた。天才的人工生命研究者ランバートが考えだした人工宇宙―オートヴァース内に、ひとつの惑星全体と、さらには高い知能をもつ生命体に進化する原始有機体を設計してくれというのだ。だが、地球にあるすべてのコンピュータの計算能力をあわせても、走らせることさえできないプログラムを作る目的とは…?90年代最高の作家イーガンの話題作。

10年位ぶりの再読。友人に貸すために本棚から出してきた。なので今回は難解な描写もすべて理解するつもりで読んだ。前は「塵理論」が意味不明ってだけの印象だったが、今回はなかなか理解できたかも。塵に宇宙を走らせるとか、普通は思いつかない奇想で面白い。初期長篇は「主観的宇宙論三部作」と呼ばれているが、たしかに知性が認識することで宇宙の姿が固着されるとか、初期長篇のテーマの共通性も読み取れたよ。
★★★★★