くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

エドモンド・ハミルトン『フェッセンデンの宇宙』

フェッセンデンの宇宙 (河出文庫)

フェッセンデンの宇宙 (河出文庫)

あらすじ
天才科学者フェッセンデンが実験室のなかに創った宇宙。それを見てしまった「ぼく」は―。名作中の名作として世界中で翻訳された表題作他、「向こうはどんなところだい?」「翼を持つ男」など稀代の奇想SF作家の代表作を収録、さらに文庫版のための新訳3篇を加えた全12篇。情感豊かなストーリー・テラーがおくる物語集。

ハミルトンはキャプテンフューチャースペオペヒーローものしか触れてなかったので、寂寥感や感傷を書き分けた作風にびっくりした。白眉は「向こうはどんなところだい?」。光瀬龍の宇宙もの(「勇者還る」あたり?)にも通じる切なさがGOOD。「追放者」も邦題は違和感だが、アイデアショートショートとして切れ味バツグン。「帰ってきた男」の、不幸の連続がかえってコメディとなるのも好き。「風の子供」のロリコンと「凶運の彗星」の突然の説明ゼリフの連続はご愛嬌(笑。表題作の新旧は、読メつぶやきで考察会が開けたのも良かった。

  • フェッセンデンの宇宙
  • 風の子供
  • 向こうはどんなところだい?
  • 帰ってきた男
  • 凶運の彗星
  • 追放者
  • 翼を持つ男
  • 太陽の炎
  • 夢見る者の世界
  • 世界の外のはたごや
  • 漂流者
  • フェッセンデンの宇宙(1950年版)

★★★★☆