くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

歴史改変SFリスト

歴史改変SFについて調べてまとめてみた。某巨大掲示板の歴史改変SF専門のスレッドを元にリスト化。★はスレッドの流れから個人的主観で重要度をメモ的に付けておいた。

1588年。スペイン無敵艦隊の英国本土進入により、宗教改革が徹底的に弾圧され、カトリック教会の支配下に置かれたイギリス。

ナチス・ドイツ大日本帝国第二次世界大戦に勝利しアメリカを分断統治した世界。

1974年。ヨーロッパはおろかアジアやアフリカさらには南アメリカまで支配するナチスドイツに対処すべく、アメリカはタイムマシンで特殊部隊を過去に送り込む。

1964年。勝利をおさめ欧州全土を手中にしたナチスドイツは、ソ連との泥沼化した戦争を終わらせるため、冷戦状態のアメリカと友好関係を結ぼうとする。

  • ミキ・ヘイデン『ニッポン太平洋帝国』(扶桑社単行本)★★★★★

1930年代後半、島津男爵は、ドイツとの外交交渉へ旅だった。ベルリンで総統ヒトラーを目の当たりにした男爵は、歴史を変える決断をする。そして日本は独自の世界戦略によって太平洋戦争を制し、一大帝国を築いていく。

  • キム・スタンリー・ロビンスン『米と塩の歳月』(未訳)★★★★★

欧州が黒死病で壊滅して中国とイスラムが世界を二分した世界。しかし未訳!

  • 那須正幹『屋根裏の遠い旅』(児童書)★★★★★

教室の屋根裏から、第二次大戦に勝った日本に迷い込んだ少年たち。

  • ジェリー・ユルスマン『エリアンダー・Mの犯罪』(文春文庫)★★★★★

ナチスヒトラーも第二次大戦も何も起こらなかった世界。

ナチスドイツに降伏し、占領下におかれたイギリスが舞台。

  • L・スプレイグ・ディ=キャンプ『闇よ落ちるなかれ』(ハヤカワ文庫SF)★★★★☆

東ゴート王国にタイムスリップし、製紙と活版印刷でローマに中世暗黒期(闇)が落ちてくるのを防ごうと歴史に介入する。

第二次ポエニ戦争カルタゴが勝ちローマが負けた世界。

1855年産業革命期のイギリス。蒸気機関コンピュータが動き出す。

  • ブレンダン・デュボイズ『合衆国復活の日』(扶桑社ミステリー文庫)★★★★☆

キューバ危機からついに全面核戦争が勃発。戒厳令をしいて軍が政治を支配するアメリカが舞台。

  • 豊田有恒『モンゴルの残光』(ハルキ文庫)★★★★☆

全世界をチンギスハンが支配し、白人は奴隷化した世界。

歴史改変がオチなので詳しくは言えないが、名作。

1949年、副総統ルドルフ・ヘスの飛来を契機に、ナチスと手を結ぶ道を選んだイギリス。

  • マリ・デイヴィス『英国占領』(二見文庫)★★★★☆

第二次大戦で英国がナチス・ドイツに占領された世界。

  • ジョージ・ベアナウ『ダラス暗殺未遂』(新潮文庫)★★★★☆

ケネディが暗殺されず生きていたらという、もうひとつの60年代アメリカ。

ヴェトナム戦争で死んだ兄を救うため、ヴェトナム撤退を決定していたケネディ大統領の暗殺を阻止しようとタイムマシンで暗殺現場に乗り込む。

  • 卜鉅一『京城・昭和六十二年』(成甲書房)★★★★☆

1909年、安重根による伊藤博文暗殺が失敗し、朝鮮が今日まで日本の植民地であるという世界。韓国系の作家が書いた架空戦史ものといえば、「日本に原爆投下、日本人死ね」的な話が多いが、これは違うらしい。

  • ノーマン・スピンラッド『鉄の夢』(ハヤカワ文庫SF)★★★★☆

ソビエト連邦が世界のほとんどを支配する中でアメリカ合衆国とその同盟国の大日本帝国だけが抵抗を続ける世界で、北アメリカに亡命したヒトラーがSF作家に転向して書いた作品というメタフィクション

第二次大戦の敗戦後、分割統治された日本。

  • 豊田有恒『退魔戦記』(ハルキ文庫)★★★☆☆

鎌倉時代の蒙古襲来。しかしそこには天空を翔けめぐる船に乗った未来人たちが歴史を改変すべく訪れていた。

  • 矢作俊彦『あ・じゃ・ぱん!』(角川文庫)★★★☆☆

第二次大戦敗戦後、日本は分断統治され、西側は米英が、東側はソ連が統治することとなる。

日米が戦うことなく、時は昭和三十年に至った。海軍大将・山本五十六は、ソ連が狙う極東安定のための使命を受け、弾丸列車日の出号に乗り、満州の新京へ向かうが、日の出号には五十六殺害を狙う者がいた。

1948年、イスラエルアラブ諸国との戦争に敗れ、ユダヤ人達は再び放浪の民になってしまうが、アメリカのアラスカ州にあるシトカ特別区で数百万のユダヤ人が滞在することになる。

戊辰戦争で幕府側が勝利。しかし日清戦争で敗れ、日本は清の支配下に。

第二次世界大戦に勝利をおさめて軍事大国となっている大日本帝国

アメリカ独立戦争に失敗してから200年。ワシントンの子孫が、アメリカ独立のために大西洋横断トンネルの建設を目指す。スチームパンクの名品。

  • 山田正紀『顔のない神々』(角川文庫)★★★☆☆

石油ショックによって経済が破綻、厳しい統制経済下で国民生活が圧迫され、全体主義が進行し、国土は公害に覆いつくされている日本。

遺伝子操作と蒸気機関が発達した各国が両陣営に分かれて戦う第一次世界大戦

第二次世界大戦で連合国側が勝利した世界。

帝政ロシアが北米の一部を支配する世界。

ルーズヴェルトが1940年の三度目の大統領選に負け、リンドバーグが大統領となり、アメリカでファシズム反ユダヤ主義が高まった世界。

全部、架空戦史ものだけれど歴史改変としても一定の評価を受けているので。

戦国時代に自衛隊がタイムスリップし歴史に介入。

中南米の文明を中心としたタイムパトロールもの。

  • 井上淳『赤い旅券』(新潮社単行本)★★☆☆☆

南北に分断された日本。東京で開かれる予定のオリンピックに、北の人民共和国が南北同時開催を申し入れてきた。そして南のオリンピック使節団が、クーデターの予感をはらんだ北の首都・仙台に。

1940年。先の世界大戦ではドイツが勝利し、フランスはドイツと平和協調路線をとった。これに対し、ファシズムと軍事拡張路線を推進するイギリスは、国際社会で孤立していた。

技術が異常な速度で発達し軍事用ロボットが運用されている世界。またソ連が崩壊せず現代まで冷戦構造が続いている世界。

一人のフランス人が幕末の日本で、不平等条約を結ぶところだった幕府を救ったり、遣米使節団に随行したりと大活躍。彼の働きが運命の歯車を変える。

内容については調べが付きませんでした。

ネット技術のみがいびつに発達した帝政ロシア支配下の江戸。

漢の劉邦匈奴との戦いで討死にした。その結果として華北匈奴に席捲されるが、やがて戦国七雄の末裔を名乗る者などが次々と自立する。華南でも劉邦陣営の生き残りが落ち延びた蜀をはじめとして幾つかの国が興り、それら多数の小国が2千年以上に渡って覇を競い続けることになる。

  • 豊田有恒『ダイノサウルス作戦』(ハルキ文庫)★★☆☆☆

竜人類が地球を席巻している世界。

明治23年、ひそかに妖僧ラスプーチンが来日し、ロシア皇太子襲撃を巡査津田三蔵に教唆―即ち大津事件である―この稀代の怪物と対決するのが、負けず劣らぬ怪男児明石元二郎陸軍中尉。まさに日露戦争の前哨戦でもあった。乃木将軍・二葉亭四迷内村鑑三にチェホフまで登場して展開される風太郎・明治意外史。

  • 小林信彦サモワール・メモワール」(文春文庫『笑いごとじゃない ユーモア傑作選』収録)★★☆☆☆

第二次世界大戦ソ連に占領された後、独立した日本。

内容の調べはつきませんでした。

1693年、栄耀栄華をきわめる太陽王ルイ14世の住むヴェルサイユ宮殿が舞台。しかし自分も積んであるけど、どこがSFで、どこが歴史改変かは、知りません。

  • J・グレゴリイ・キイズ『錬金術師の魔砲』(ハヤカワ文庫FT)★☆☆☆☆

18世紀初頭。イギリスとの戦いで劣勢のフランス国王ルイ14世は、一瞬にしてロンドンを消し去る究極の超科学兵器をニュートンが発明したとの噂を聞く。これSFなのか?

人類の悲惨な歴史を修正すべく国連が歴史に介入するが失敗。歴史を元に戻すべく、国連は226事件を再び修正する。

ヒトラーが死なず、1970年代になってもドイツとアメリカが戦争を続けている二十世紀

日本列島自体が1941年にタイムスリップ。日本政府は圧倒的な技術力で歴史に介入し、大戦を終結させ、やがて日本製品は世界市場を席捲することとなる。

ドラキュラが全土を支配した英国が舞台。

  • 山本弘『去年はいい年になるだろう』(PHP文芸文庫)★☆☆☆☆

歴史改変SFならぬ、山本弘自身の自分史改変SF。

  • 豊田有恒『カンガルー作戦』(徳間文庫)★☆☆☆☆

有袋類人類が地球を席巻している世界。

  • D・R・ベンセン『天のさだめを誰が知る』(創元推理文庫)★☆☆☆☆

4人の異星人の乗った宇宙船が事故で1908年の地球に漂着した。宇宙船を修理するための地球の科学技術を底上げさせようとする。科学技術の発達を促すためには戦争が最短距離だと、傍迷惑にも宇宙人一行はイギリス国王エドワードやドイツ皇帝ウィルヘルムらのもとを訪問しては戦争を起こす必要性について説いて回る。

その他の読書メーターやコメント欄で指摘してもらった歴史改変SF作品

  • アラン・グレン『鷲たちの盟約』(新潮文庫)

最近出た新刊。1943年、アメリカ。10年前に大統領就任目前のルーズヴェルトが暗殺され、未だに大恐慌の悪夢から脱せず、今やポピュリストに牛耳られた専制国家と化している。

ローマ帝国が滅亡せずに現在まで続く世界。

  • スザンナ・クラーク『ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル』(ヴィレッジブックス単行本)

英国魔術が復活した19世紀のロンドンが舞台。

1962年、大ブレイクを前にビートルズが解散していたらという、もうひとつの歴史。

日露戦争で日本が敗戦。水師営での講和会議でロシア側陣営として登場した人物は西郷隆盛だった。

エジソンキュリー夫人が結婚、その後の発明品の歴史が激変。

現代からタイムスリップした戦記編集者が助言して、連合艦隊を勝たせようと画策する。

  • 眉村卓『とらえられたスクールバス―時空の旅人』(角川文庫)(ハルキ文庫)

バスがタイムスリップして東京大空襲に遭遇したのちタイムパトロールに追われて幕末島原関が原本能寺まで遡り歴史が変わる。

  • ランドル・ギャレット『魔術師が多すぎる』(ハヤカワ文庫HM)

魔術師が弁護士や科学者の代わりを務めるパラレルワールドのロンドンが舞台。また英仏がひとつの帝国となって西欧と新大陸を支配している世界。