くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

12月の読書メーターまとめ


12月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3036ページ

時の地図 下 (ハヤカワ文庫 NV ハ 30-2)時の地図 下 (ハヤカワ文庫 NV ハ 30-2)
第二部は、大森望氏の「ジャック・フィニイの「愛の手紙」のひどい版」との評が、まさしく。あの超名作時間SFロマンスをこんなに極悪アレンジしやがって…。非常に愉快痛快だわ。第三部は、今までのアンチ時間SFから一転まさかのSF展開。ラストの、パラレルワールドと創作活動を絡めたウェルズ論をウェルズに語らせてるシーンは読み応え充分。中々楽しい読書体験だった。
読了日:12月28日 著者:フェリクス J.パルマ
時の地図 上 (ハヤカワ文庫 NV ハ 30-1)時の地図 上 (ハヤカワ文庫 NV ハ 30-1)
ヴィクトリア時代&タイムマシンって何この大好物。…と思って読んでたら、なんかへんてこな小説になってきたなあ。メタ視点から挿話がどんどん放り込まれてきて、鬱陶しいけど面白くてぐんぐん読ませる。話の本筋としては、こっちの時間SFの伏線かなとの期待に対して、どんどん梯子を外してくる。先が読めないので、下巻に急ぎます。
読了日:12月26日 著者:フェリクス J.パルマ
レインツリーの国 (新潮文庫 あ 62-1)レインツリーの国 (新潮文庫 あ 62-1)
作中作『フェアリーゲーム』の元ネタ『妖精作戦』を全巻読破したので、こっちも記念再読。伸たちが『フェアリーゲーム』について語ってる内容が細部に至るまでそのまんま『妖精作戦』やった!!!やっぱりあのラストは納得できへんよなー。『レインツリー』全体の感想としては、ベタ甘(笑。ひとみは結構人間くさい所も描写してるのに、伸が完璧人間すぎるやろ。これは有川さんが女性作家やからかな??あとやっぱり関西弁って文字で見たら胡散臭いねんなー。
読了日:12月22日 著者:有川 浩
ラスト・レター―妖精作戦 Part4 (ソノラマ文庫 (703))ラスト・レター―妖精作戦 Part4 (ソノラマ文庫 (703))
有川浩レインツリーの国』で主人公らが語り合っていた作中作『フェアリーゲーム』の元ネタ。小川一水が学生時代に「こんなラスト無い、なら俺が作家になってやる」と作家になる契機となった作品。…である《妖精作戦》四部作の最終巻。最後の最後まで脱出逃避行でどんなにシリアスになりかけても結局ハチャメチャで楽しい。しかしラスト10頁で超展開…。SF好きとしてはこのビジョン結構好きだが、キャラ小説として読んでいた少年少女たちは唖然だったろう。俺も唖然。『レインツリー』読んだ方は薄々分かるかもしれないがこのラストありなの?
読了日:12月21日 著者:笹本 祐一
神様のカルテ 2神様のカルテ 2
前巻と全く変わっていなくって、良かった。エンターテイメント小説の皮をかぶってその実は医者の労働環境の窮状に警鐘を鳴らしている進藤辰也の話と、医者以前の人間の生と死についての古狐先生の話、大きく二つの話が心に響く。それにしてもハル可愛すぎるだろ。
読了日:12月20日 著者:夏川 草介
カーニバル・ナイト―妖精作戦 Part3 (ソノラマ文庫 (702))カーニバル・ナイト―妖精作戦 Part3 (ソノラマ文庫 (702))
有川浩小川一水などに多大な影響を与えた《妖精作戦》四部作の第三巻。ついにSCFがノブを奪うために総攻撃。国立市の学校1つを落とす為に、戦車やら戦闘機やらの猛攻でもう滅茶苦茶。この破天荒さが魅力的だ。ラストでは遂にあんなことになって最終巻でどうなるのだろうか。(余談だが、このシリーズって『フルメタ』に似てるね)
読了日:12月17日 著者:笹本 祐一
放課後探偵団 (書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー) (創元推理文庫)放課後探偵団 (書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー) (創元推理文庫)
佳作ぞろいの中々素晴らしい学園ミステリアンソロジー。しかし、梓崎優の圧倒的存在感。本格ミステリとしては若干反則気味だけど、そんなこと関係ない。胸が苦しい。あと各篇ごとの扉絵にそれぞれ違う絵師さんを呼んでるんだけど、やっぱり片山若子が素晴らしい。
読了日:12月15日 著者:相沢 沙呼,市井 豊,鵜林 伸也,梓崎 優,似鳥 鶏
おすすめ文庫王国2010−2011おすすめ文庫王国2010−2011
米澤穂信文庫オールタイムベスト10」目的で購入。文庫ならではという本を10冊集めており、普通のオールタイムベストとは違うが、中々興味深い。あと面白かった企画は「文庫版元ケンミンSHOW」。各県と性格の似ている文庫レーベルを当てはめていくという企画なんだが、各県と各文庫レーベルの双方向に悪口はきまくりで大笑いした。メイン企画の「ジャンル別ベスト10」では、《ファージング》三部作が面白そうなので、ちょっくら買いに行ってくるわ。
読了日:12月11日 著者:
友情 (岩波文庫)友情 (岩波文庫)
美しい小説だ。友情と恋愛というアンビバレントな感情に板挟みとなる話ってよくあるけど、既に完成形がここにあった。傑作。
読了日:12月08日 著者:武者小路 実篤
ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)
サイバーパンク。超有名な冒頭の「千葉の空はTVの空きチャンネルの色」からしてシビレタ。挫折者多数と言われている黒丸尚訳文体だが、ルビを多用した「没入(ジャックイン)」「凝り性(アーティスト)」等の用語に疾走感があり恰好いい。しかしこれ最近のラノベの「禁書目録(インデックス)」「幻想殺し(イマジンブレイカー)」等の中二用語とそんなに変わらないような気もする(笑。会話文中での疑問文の語尾が「…」となっており、脳内で「〜?」に変換して読まないといけない、というのは酷い。とりあえず難解、だけど何となく恰好いい。
読了日:12月06日 著者:

読書メーター

『時の地図』と『友情』がベスト。《妖精作戦》のラストの超展開にも魂消たけど。