くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

10月の読書メーターまとめ


10月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:3869ページ

二年四組 交換日記 腐ったリンゴはくさらない (集英社スーパーダッシュ文庫)二年四組 交換日記 腐ったリンゴはくさらない (集英社スーパーダッシュ文庫)
1クラスの全員のニックネームだけ与えられていて、本名は読者自身がパズル的に解き明かしながら読むというのは、面白い試み。パズルが巧妙に組み立てられており、新人賞とは思えない。ただ、最後の黒塗りが誰か分からなかったので、悔しい!!!
読了日:10月28日 著者:朝田 雅康
アリスへの決別 (ハヤカワ文庫JA)アリスへの決別 (ハヤカワ文庫JA)
いつもの自分の主張を短篇に織り込むのは、真っ当な主張で別にいいんだけど、こうもストレートに放り込まれるとこっちが怯んでしまう。まあ全部おもしろいから良いけど。
読了日:10月26日 著者:山本弘
サイン会はいかが? 成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)サイン会はいかが? 成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)
本屋ミステリ第三弾。本屋には人間ドラマがいっぱいでやっぱり良い。「君と語る永遠」と「ヤギさんの忘れ物」が特に好き。表題作はちょっとだけ長い。この作者さんは短篇の小気味良いリズムが似合う。「バイト金森くんの告白」は、「※」な話かと思ったらハッピーエンドかよ。
読了日:10月25日 著者:大崎 梢
晩夏に捧ぐ (成風堂書店事件メモ(出張編)) (創元推理文庫)晩夏に捧ぐ (成風堂書店事件メモ(出張編)) (創元推理文庫)
今回は長篇ということで、短篇集の時の長所である小気味良いリズムが消されており、やや冗長な感じがした。ミステリとしても、「日常の謎」ではなく普通のミステリ。みんな、このシリーズに求めているのは、そんなのじゃないみたい。しかし、いつもの都会のビルのテナント内の本屋の明るい雰囲気もいいけど、田舎の陰鬱な空気も結構好き。
読了日:10月21日 著者:大崎 梢
配達あかずきん―成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)配達あかずきん―成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)
1巻は「ミステリ・フロンティア」で既読だけど、シリーズ3冊が文庫で手に入ったので、再読。主人公コンビが、先輩と後輩・社員とバイトという関係性なので仕方の無い事とはいえ、ワトソン役が偉そうで探偵役を使うって如何なものか、と思った。しかし不満点はそこのみで、本好きとしては全篇素晴らしく楽しい。本屋を愛する読メ民は必読の日常の謎ミステリ。
読了日:10月20日 著者:大崎 梢
不思議の扉  時間がいっぱい (角川文庫)不思議の扉 時間がいっぱい (角川文庫)
前巻は殆どが既読だったけど、こちらは勉強不足にもほぼ未読。第一世代のSF作家の偉大さが表れた一冊という印象。筒井康隆の、ただの時間ループものと思わせて、人間の罪の意識と絡ませる重厚さ。星新一の、今読んでも色褪せないあっと唸らせるアイデア。本当に御三家は凄い人だ。それに比べて、フィッツジェラルド何なの??全く理論構築が無いし。こんなのSFじゃない。あと「エンドレスエイト」はもうええやろ。
読了日:10月18日 著者:
不思議の扉  時をかける恋 (角川文庫)不思議の扉 時をかける恋 (角川文庫)
アンソロジーのラインナップを見てレア感が全く無く微妙と思ったが、読書メーターの感想を見てみると、10代と思しきSFに親しんでいない人々の手に取られ好感を得ているので、これはこれで良かったのだと思い直した。それにしてもやっぱり時間SFはロマンスとの相性が最高だわ。
読了日:10月18日 著者:大森 望
時間泥棒 (創元SF文庫)時間泥棒 (創元SF文庫)
局所的に時間が遅れはじめるというあらすじから、ただのパニックものかと思ったが、読み進めていくと科学的説明が一応なされており納得。まあアイデア一発って感じか。短いし読みやすいので気軽に手に取れてGOOD。
読了日:10月16日 著者:ジェイムズ・P. ホーガン
夕ばえ作戦 (ハルキ文庫)夕ばえ作戦 (ハルキ文庫)
光瀬龍の代表的なジュブナイルSF二作品『夕ばえ作戦』『暁はただ銀色』が併録。『夕ばえ』は、中学生が江戸時代にタイムスリップして風魔忍者と戦う話。栄養の行き届いていない江戸時代の忍者と、現代のスポーツ万能少年とが、互角の体力というのが中々妙味。『暁は』は、姿なき宇宙侵略者の話。姿なき敵は、じわじわと不気味に迫り、中々の雰囲気。
読了日:10月14日 著者:光瀬 龍
いさましいちびのトースター火星へ行く (ハヤカワ文庫SF)いさましいちびのトースター火星へ行く (ハヤカワ文庫SF)
ほんとうにトースター君たち独力で火星に行っちゃった。微笑ましく読みつつも吃驚だ。ラストも誰もがハッピーで終わり、好感。それにしても本当にソニータイマーで笑った。
読了日:10月12日 著者:トーマス・M. ディッシュ
紐育、宜候(ニューヨーク、ようそろ)―SF 太平洋戦争 (角川文庫)紐育、宜候(ニューヨーク、ようそろ)―SF 太平洋戦争 (角川文庫)
タイムパトロールものの時間SF。光瀬龍は何冊かこのシリーズで書いてるらしい。第二次世界大戦で、日本はミッドウェイで勝利を上げた後も破竹の勢いでハワイ・アラスカを占領、一方ドイツも欧州・アフリカ全域を勢力下に、そして日本は戦争を終結させるために米本土・ニューヨークに原爆投下する作戦を実行に移す、、、といった話が本の7割強の所まで延々と続いて時間局員なんて出てきやしない。時間SFじゃなくって架空戦史ものかと見まごうた。ラストも結構、投げっぱなし。しかし『夕ばえ作戦』読者には嬉しい仕掛けがラストに待ってます。
読了日:10月11日 著者:光瀬 龍
梅田地下オデッセイ (ハヤカワ文庫JA)梅田地下オデッセイ (ハヤカワ文庫JA)
大阪人でありSF好きとしては、表題作は1度は読んでおきたいと思い立ち、図書館でお取り寄せ。梅田の地下街の全てを制御するコンピュータが暴走し、梅田地下は完全に外部と遮断され、広大な地下街は迷宮ダンジョン化。閉じ込められた者たちの苛烈な生存競争の中、生まれたものとは……というストーリイ。予想に反して、かなりダークかつハードSFだった。もう俺、梅田には絶対に近づかない、地下街には絶対に入らない。特に曽根崎警察署東側の地下名店街には絶対に行かない。
読了日:10月06日 著者:堀 晃
恋人たち (ハヤカワ文庫 SF 378)恋人たち (ハヤカワ文庫 SF 378)
エロい話との噂を聞いて、期待(?)してたのに、全然エロくねー。でもラストの生物学SFの作りこみに大いに感心。このラストに嫌悪感を示すかどうかで、SF的思考(嗜好)を持っているかの試金石になるとの話を聴いた事があるが、俺的には全然OKだった。
読了日:10月01日 著者:フィリップ・ホセ・ファーマー

読書メーター

ベストは、成風堂書店事件メモ三冊。本屋好きは必読の日常の謎ミステリ。SFでは光瀬作品もはずせない。