くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

米澤穂信「ナイフを失われた思い出の中に」

この本を手に取った理由は、勿論、米澤穂信目的です。他の作品は、気が向いたら読みます。ところで、本書を図書館で借りた時に、司書のおねえさんに話しかけられて、またどぎまぎしてしまった。急に「1巻も読まれたんですか??」って聞かれたから、俺は「いえ読んでいません、しかし米澤穂信ファンならば本書もチェックしなければいけないでしょう(キリッ」と返しておいた。
して「ナイフを」の話。話のアウトライン自体は、同じ《ベルーフ》シリーズの「恋累心中」と似ている。視点人物が、先に街に入って事件を追っている太刀洗に合流して、色々現場を廻りながら事件の全容を明らかにしていく、というストーリイ。特筆すべきは、今回の視点人物が、『さよなら妖精』のマーヤの兄って事。これだけでも、米澤穂信ファンとしては是非チェックしなければならないポイント。あと感じたのは、米澤穂信って「知られてはいけないけど誰かに知って欲しいというメッセージ」をテーマにしたもの多いなという事。例えばデビュー作『氷菓』の部誌タイトルにこめられたメッセージとか。
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