くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

麻耶雄嵩『木製の王子』

あらすじ
ピアノの上に生首が!
“聖家族”の秘密とは!?
比叡山の麓に隠棲する白樫家で殺人事件が起きた。被害者は一族の若嫁・晃佳。犯人は生首をピアノの上に飾り、一族の証である指環を持ち去っていた。京都の出版社に勤める如月烏有の同僚・安城則定が所持する同じデザインの指輪との関係は?容疑者全員に分単位の緻密なアリバイが存在する傑作ミステリー。

亮人::どぅおもー!漫才風読書感想で〜す!
使い魔・ゲンキ君::今回は、麻耶雄嵩先生の『木製の王子』だガル!
亮人::よっ、ジュピタープリンス!
ゲンキ君::これがまた複雑な話だったガル。
亮人::この事件は匂ったよなー!?
ゲンキ君::ママレード・ボーイより複雑な家系図を崇める聖家族なカルト宗教。そしてその家族で起こる殺人。
亮人::匂うね、これは!
ゲンキ君::兄弟姉妹同士で結婚してその子供もイトコ同士で結婚。家系図は一人の孫に収斂する。なんてメチャクチャな家族だガル。
亮人::匂いまくりやな!
ゲンキ君::そして烏有さんのマリッジブルーの話も同時進行。それも含めて、なんだかまた捻じくれた話だったガル。
亮人::強烈に匂うわ。
ゲンキ君::今回のメイントリックは分単位で記録された個々人の行動によるアリバイ。こんな細かなアリバイってあり!?ムチャクチャで頭が痛くなったガル。
亮人::匂いプンプンやね。
ゲンキ君::しかしそれも聖家族というギミックで納得の解決。カルト宗教って怖いガル。
亮人::宗教も匂うか。
ゲンキ君::烏有さんのマリッジブルーはっていうと、取って付けたようにラストに展開するガル。それでいいのか、烏有さん?!
亮人::この件も匂うぜ。
ゲンキ君::なんしか読み応えのあるミステリだったガル!怪作で快作だったガル!
亮人::そうだ!匂うぞ!
ゲンキ君::本書は、麻耶雄嵩作品の中でメインとなるシリーズの一冊。それなのにこの本だけ、入手困難なんだガルな。なぜ?誰でもシリーズ読めるように、復刊早くしてほしいガル!
亮人::匂う!クンカクンカ。
ゲンキ君::ところでさっきから、なんで「匂う」ばっかり言ってるガルか?
亮人::匂うぜ。ここらへんから匂う。ゲンキ君の周辺から匂う。もういい加減に認めようや。君が犯人やろ?犯行の匂いがプンプン臭いで。匂うんやから、もう観念せい。臭いんやから。もう臭ぇの応じ?もう臭ぇの応じ!もくせいのおうじ!!
ゲンキ君::ってソレが言いたかっただけか~い!!もうやめさせてもらうわん!ガルガル!!!

ネトフで航宙~ネトフで完璧な

ネットオフにて。

ネットオフで注文した2件がいっぺんに着弾!
ネイサン・ローウェル『大航宙時代』!SF部長の三瀬さんが猛プッシュしてらしたので!ハインラインジュブナイルっぽいストーリーなのかな?楽しみだ!
森川智喜『踊る人形』!デビュー作『キャットフード』がメッチャ良かったので!《名探偵・三途川理》シリーズは全部読まなければいけない!
ラヴィ・ティドハー『完璧な夏の日』上下巻!なぜか持ってなかったから、たまたま見つけられて良かったよ!そもそも《ブックマン秘史》もまだ途中までしか読んでないから早く読めという話やけども!?

田中仙堂『お茶と権力 信長・利休・秀吉』

あらすじ
「茶」を軸として、織田信長豊臣秀吉、二人の天下人の戦略を読み解いた、新しい戦国史
室町から戦国にかけて、武士の文化として発展した「茶」。しかし、それは一方で政治のツールとしても活用されました。なかでも信長は「名物」とされた茶道具を家臣たちに分け与えることで、自らの信頼の証とし、家臣統制に活用します。またそれは外交のツールでもあり、茶の文化をリードした堺の商人たちと深く交わる手段でもありました。そのなかで、信長に重用された一人が、千利休であり、信長の戦略を継承したのが秀吉だった、と著者は説きます。では、なぜ堺の商人のなかでも後発だった利休が重用されたのか? そして秀吉の側近として盤石の地位を築いたかに思われていた利休が突然失脚したのか?
著者の田中氏は大日本茶道学会会長、公益財団法人三徳庵理事長として茶道文化普及に努めるかたわら、徳川林政史研究所徳川美術館で歴史・美術を研究。茶の道に精通した著者ならではの視点が光ります。

ガチャガチャ「戦国の茶器」シリーズで習った所ばっかりだ〜ってなった!信長や秀吉が茶会を多用したのは政治的な意味もあった。軍門に降った相手の宝物を茶会で提示することで、出席者に戦果を誇示できる。なるほど。そして利休追放の原因も推理。なるほど。政治的に必要なくなったのね。茶の湯に対する理念はまだ共有はしていたかもしれなかったのか。納得。

小川哲『嘘と正典』

あらすじ
マルクスエンゲルスの出逢いを阻止することで共産主義の消滅を企むCIAを描いた歴史改変SFの表題作をはじめ、零落した稀代のマジシャンがタイムトラベルに挑む「魔術師」、名馬スペシャルウィークの血統に我が身を重ねる青年の感動譚「ひとすじの光」、音楽を通貨とする小さな島の伝説「ムジカ・ムンダーナ」など6篇を収録。圧倒的な筆致により日本SFと世界文学を接続する著者初の短篇集。

どれも吸引力のある物語性で傑作ぞろい!これは直木賞候補にもなりますわ。でもどの話もSF要素はスパイス程度なのね。もっとガッツリなのかと思ってた。個人的には、奇術師とタイムトラベル、スペちゃん(c.v.和氣あず未)、共産主義を歴史から消去、あたりがお気に入り。『ゲームの王国』や『地図と拳』などの長編も挑みたくなってくる筆力だった!

  • 「魔術師」

マジシャン竹村理道の一世一代の奇術。タイムマシンで19年前に行くという。果たして19年越しにタネを仕込んだ奇術なのか、本当のタイムマシンなのか?
静かな筆致で激動の人生を描く。人生を賭けた一撃という壮絶さ。これは本当に傑作だ。

  • 「ひとすじの光」

父親が遺した名馬スペシャルウィークの血統の資料から立ち上がってくる主人公の人生。これも凄かった!
スペちゃん(c.v.和氣あず未)といえば、オレが中高のころに競馬好きの奴らがよく賭けてたよね(!?)
スペちゃんの挫折からの栄光と、スペちゃんの御先祖様の紆余曲折の歴史が、主人公の小説家生活のエアポケットと上手くオーバーラップして、これまた傑作!
これは、きみの愛馬がずきゅんどきゅん走り出す小説でした!

  • 「時の扉」

「時の扉たたいて、ここから今飛び出そう♪」みたいな話だったw
過去を変えることができる「時の扉」を巡る、千夜一夜物語風の王と語り手の話。と見せかけて後半で見えてくる、違った構図。まさかそこに繋がるかという驚き!この人物のまた違う描き方。上手い話だった!

子供の頃からピアノ習熟を押し付けてきたスパルタ父親が遺したテープ。その中に入っていた音楽をたどるとフィリピンの孤島の民族に。その民族では音楽が通貨!?
またまた父子の相剋がテーマ。そして一度も演奏されたことのない至上の音楽という魅惑的な響きGOOD!

  • 「最後の不良」

ブームというもの自体が終わりを告げた近未来。均質化した沈滞だけが正義という時代の空気。断捨離の行く末か?そんな中で、昔の不良ブームの格好で爆走する男。なんかマジメな文章だけどコメディな、変化球な話。

  • 「噓と正典」

モスクワ駐在の大使館員という肩書のCIAモスクワ支局員とソ連の機密に触れる立場のロシア人技師。KGBの眼から逃れながらのスパイ活動。そんな中、技師は過去にメッセージを送る技術を発見する。その技術でエンゲルスマルクスの出会いを阻止し共産主義を歴史から消し去る。
面白かった!一番SFしてた!緊迫したスパイ描写。そして共産主義の歴史。それが本当に消し去れるのか。熱い!そして最後の終わり方。まさかそこに繋がるとはという捻り。これは傑作。

浅倉秋成『俺ではない炎上』

あらすじ
ある日突然、「女子大生殺害犯」とされた男。既に実名・写真付きでネットに素性が曝され、大炎上しているらしい。まったくの事実無根だが、誰一人として信じてくれない。会社も、友人も、家族でさえも。ほんの数時間にして日本中の人間が敵になってしまった。必死の逃亡を続けながら、男は事件の真相を探る。

なりすましアカウントで殺人画像をupさせ炎上させられた男の逃亡劇。このドキドキ展開の連続よ!ページターナーぶりがスゴイ!久々に徹夜しまくったわ!ってかこんな酷い炎上ばっかりしてるTwitterとかいうSNSほんまクソだわ!どこのSNSだよ!そして終盤に発動する仕掛けの連続。これは見事に騙された!さすが「伏線の狙撃手」の二つ名は伊達じゃない!SNS論者にありがちな「自分は悪くない」という現代人の病理も喝破して、メッセージ性も充分。初期作も好きだけど、数段筆力がパワーアップしてる今作もスゴイわ!

ネトフで夕ばえ~孫市

ネットオフにて。

父親の本棚より。

ネットオフでポチポチ。
神林長平敵は海賊 海賊の敵』!なぜかシリーズでコレだけ持ってなかったのでゲッターした!ってか読んでるのも2冊くらいやから、早く続き読まないと!表紙のアプロがカワイイ!
草上仁『スーパーサラリーマン』!草上仁先生は昔のハヤカワ文庫がだんだん集まってきてる!やった〜!早く読まねば!
田中啓文『力士探偵シャーロック山』!なんか面白そうな本をゲッターした!相撲もシャーロックも好きやから!でもなんでその2つを混ぜたw
円居挽『コクラセ』!フリーゲームのノベライズ?ビーズログ文庫アリス?こんなん出てたの初めて知ったよ!
霜越かほる『高天原なリアル』!なんかラノベ紹介ブログでたまたま見かけて惹かれたので!2000年前後の声優業界の話らしい。
大野ツトム『夕ばえ作戦(3)』!光瀬龍ジュブナイルSFのコミカライズ!全4巻のうち1巻2巻しか持ってなかったの。いつのまにか密林中古でも高騰しちゃってるし!格安でゲッターできてラッキー!
司馬遼太郎『尻啖え孫市』!これは父親の本棚からパクってきた本!声優の東城咲耶子さんが配信で、雑賀孫市を好きになったキッカケと仰っていたので!雑賀孫市は和歌山だけど、うちの地元のあたりも領地としてたしね!

うしだゆうじ『ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』

面白かったけど、かなり大味。場面転換とか致命的に分かりにくくて読むのにパワーがいった。
まぁ主人公のコロニーとガンダムと人を愛する熱さは良かったからオッケー!
コロニー建設の人が趣味で作ったガンダム顔の手作りモビルスーツが、連邦軍の手によって戦える機体になるってのがそもそも大味よな。
『ZZ』と『逆シャア』の間という時代設定も上手く使えてない気が。モビルスーツはカッコよかったけど。あとイリア・パゾムが出てきて嬉しかったくらい!?
このマイナーな作品がGジェネ参戦とか優遇されてる理由も謎だな。モビルスーツのバリエーションは豊富で良かったけども。
まぁサイバーコミックスという80年代の空気は存分に味わえたからヨシ!

神林長平『アグレッサーズ 戦闘妖精・雪風』

あらすじ
ロンバート大佐を介在させたジャムは、対人類戦に勝利し、地球侵入を果たした――それがFAF特殊戦の分析だった。機械知性らの次の対ジャム戦略を練るために、クーリィ准将は特殊戦にアグレッサー部隊を新設。雪風地球連合軍の戦闘機との模擬戦に参加する。

亮人::どぅおもー!漫才風読書感想で〜す!
使い魔・ゲンキ君::今回は『アグレッサーズ 戦闘妖精・雪風』だガル!《雪風》シリーズの第四部。第三部『アンブロークンアロー』から13年待ってついに続きが出たガル!
亮人::アレクサ、あらすじ言って!
アレクサ::ロンバート大佐の寝返りによってジャムの総攻撃を受けたFAF。なんとか撃退したが、ジャムは対人類勝利宣言して消えた。そんなジャムを再び引きずりだすために、雪風はジャム役を演じるアグレッサー部隊となる。
亮人::オッケー。次。アレクサ、感想言って!
アレクサ::人類とFAF機械知性とジャム、この三者の複雑な生存競争コミュニケーションが読みどころ。第一部を読んだときの興奮がそのまま継続している。面白かった。最高。ジャムが見えるという田村伊歩大尉も登場し、第五部も楽しみです。
亮人::オッケー。次は、アレクサ、この本でボケて!
アレクサ::「敵に寝返ったロンバート大佐」とかけて「パン工場」ととく。そのこころは。どちらも「ジャムおじさん」でしょう。
亮人::アレクサ、ツッコんで!
アレクサ::それはアンパン軍の黒幕のジャム氏やないか。
ゲンキ君::って何してるガルか?
亮人::アレクサたちと漫才。『アグレッサーズ』ならぬ「アレクッサーズ」とねw
ゲンキ君::おふざけも大概にしなさーい!
亮人::まぁまぁそんなイライラ「せんとーき」や!戦闘機だけにw
ゲンキ君::もうメチャクチャだガル。
亮人::アレクサ、幕を下ろしてw
アレクサ::\チャンチャン/
ゲンキ君::もうやめさせてもらうわん!ガルガル!!!

ネトフで交わすなかれ

ネットオフにて。

なぜか持ってなかったバリントン・J・ベイリーの『時間衝突』をgetした!時間が衝突する話?ワイドスクリーン・バロックってやつよね!
そして森川智喜先生の『死者と言葉を交わすなかれ』!初版帯付きgetした!京大生が100%騙されたってことは、オレがこの謎を解いたら実質京大生!?