くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

搗鯨或『キボウ』


キボウ
作者:搗鯨或
出版社/メーカー:群逢書房
発売日:2022/05/29
メディア:文庫判(A6)

あらすじ
2036年11月30日、日本時間午前0時。巨大隕石がぶつかり地球は消滅します」僕が生まれる何十年も前、テレビで有名な学者たちがそう宣言したらしい。人も、家の灯りも車もない静かな夜。僕は彼女との約束のためある場所へと向かう。

文フリ大阪でgetした本。隕石による終末。多くの人は地球を出て逃げのびたが、残された人は。淡々と最後の時を迎える。ラリイ・ニーヴンの傑作短篇「無常の月」にも似た淡々とした筆致で終末を描く。無常の月と並ぶくらい引き込まれる空気感。そしてついに隕石が。だがまだそこで物語は半分。ここからなるほど、そうなるか!思いもしなかった展開にますます引き込まれた!路上で歌う男女や最後に会いに行く人など一つ一つが印象的な繋がりのエピソード。イラストもまさにピッタリ、この空気。静かだけど心に刺さる物語でした!