草上仁『ゆっくりと南へ』 - くじら座ソーダ通信

作者: 草上仁
出版社/メーカー: 早川書房
発売日: 1991/05
メディア: 文庫
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あらすじ
傘だけのキノコのような形をして黄金色の柔毛に覆われたスロウリイには、目も鼻も耳もない。だがひと月にわずか1センチかそこら南のほうに這い進むスロウリイにこの星の子供たちは願い事をかなえる力があると信じていた。そのスロウリイの一匹が高速道路のために撤去されようとしている。撤去されたスロウリイは一匹たりとも生存していないのだ…。異星の生物を救おうとする少女とその祖母を描く表題作他、6篇を収録。

使い魔・ゲンキ君：：どぅおもー！漫才風読書感想だガルー！
ゲンキ君：：草上仁の11作目の短編集だガル。小品でサラリと読めるが、キラリと光るワンアイデアをオチに配した、小気味いい作品ばかりだガルな！ってか草上仁の短編といえば、SFマガジンとかに掲載されたままの未書籍化短編がまだいっぱいあるらしいので、本にしてほしいガルな？特にご主人の好きな「長門有希の100冊」に入ってる「五百光年」とかは注目されてたし、本になってほしいガル。
亮人：：そうよね～！！
ゲンキ君：：では本書の各短編について、いってみようガル！

「殺せ！」

ゲンキ君：：他人を何でも従わせてしまう言葉が使える男。この男が、サイコ野郎で、この能力で遠隔操作殺人も始めるガル。それを追う刑事たち。サスペンスだガルね。行ってしまえば、これってアニメの「コードギアス」だガルねw　最終的に男は刑事に殺されるんだけど、男が遺した凶悪な仕掛けが。このオチは邪悪。ホラー映画『リング』並みの邪悪な仕掛けガルね！？
ゲンキ君：：この邪悪さ、どう思うガルか？IKKOさん。
亮人：：どんだけ～！！
ゲンキ君：：はい。次。

「オリジナル」

ゲンキ君：：物質複製機が普及した未来。その複製機を使って、貴重な蝶の標本をコピーし、コレクター同士でどうちらが本物か言い争う話だガル。3Dプリンタを予見したような話だガルなー。そして、ただどちらがオリジナルかだけでなく、自然を保護する精神とはみたいな考えさせるオチでよかったガルな！
ゲンキ君：：ところでこんな物質複製機が手元にあったらどうするガルか？IKKOさん。
亮人：：換金～！！
ゲンキ君：：はい。次。
「おお、白い花びらが」
ゲンキ君：：未来の異星に住む人類。ただそこのコミュニティも閉鎖的で、主人公と彼女は結婚を反対され逃避行。その逃避行途中の車が砂漠の真っ只中でガス欠するんだガル。死を覚悟する二人。しかしそこで、この星に伝わる悲恋の伝説を思い出すんだガル。伝説という伏線からの奇跡が上手く描かれてて良い話だったガル！
ゲンキ君：：ところでIKKOさんなら、この逃避行のオチをどう付けるガルか？
亮人：：心中～！！
ゲンキ君：：はい。次。

「おじいさんの時計」

ゲンキ君：：発明好きの道楽お祖父さんが死んで、主人公に遺したものは、奇妙な目覚まし時計たった一つ！？絶対に目が覚める目覚まし時計と生前に聞いていたけれど、はたしてそれはどんな仕掛けなんだガルか？遺産が発明の目覚まし時計だけというのも謎だガル？この二つの謎が綺麗につながる、ワンアイデアだけど、良い話なんだガル！
ゲンキ君：：IKKOさんは遺産相続がちっぽけな目覚まし時計一つだったらどう思うガルか？
亮人：：どっちらけ～！！
ゲンキ君：：はい。次。

「隻眼ディガード」

ゲンキ君：：打って変わって今回はスペースオペラ。場末の星の居酒屋で、主人公は、弟の敵と叫ぶ男との決闘を挑まれる。この西部劇の舞台をを宇宙に変更しただけの埃っぽさがスペオペの本来の醍醐味だガルね！オチもワンアイデアだけど、捻ってあって面白かったガル！
ゲンキ君：：ところでIKKOさんは突然に決闘を挑まれたらどうするガル？
亮人：：背負い投げ～！！
ゲンキ君：：はい。次。

「ピューイ」

ゲンキ君：：星の世界を冒険し一獲千金を狙おうとしたが、夢破れて借金だけが残った青年。しかしとある奇妙な異星生物・ピューイと友達となったことで、一緒に隠遁生活をしていた。この異星生物が奇妙でカワイイんだガル。液体生物だけど、若干の意思疎通もできる。その性質を利用して主人公は詐欺を企むが、果たしてバレずに大金を手にすることができるのか？
ゲンキ君：：ところでIKKOさんは詐欺で不正に得た金ってどう思います？
亮人：：まぼろし～！！
ゲンキ君：：はい。次。

「ゆっくりと南へ」

ゲンキ君：：一日数ミリしか動かないが何千年もかけてひたすら南に向かう、ある星の生命体「スロウリイ」。ただこのスロウリイ、人の手で移動させると死んでしまうんだガル。そのスロウリイたちの通り道に高速道路の建設計画が持ち上がるガル。建設反対生命保護のお祖母さんと建設を進めようとする役人の対立。でも最後はリリカルで心温まる結末ガル！興奮痛快な読書だガル！傑作。リリカルで温かい、いいSFだガル！
ゲンキ君：：ところでこのスロウリイ、一日数ミリしか動かないって、どういう歩みなんでしょうか？
亮人：：そろりそろり～！！
ゲンキ君：：って相方の和泉元彌の方も出来るんかい！！もうやめさせてもらうわん！
亮人：：以上、「チョコレートプラネット」、のモノマネのモノマネをする「漫才風読書感想」でしたー！
ゲンキ君：：ガルガル！！
《参考文献》

チョコレートプラネット　ものまね「IKKO＆和泉元彌」 [HD]