くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

森見登美彦『有頂天家族 二代目の帰朝』

有頂天家族 二代目の帰朝

有頂天家族 二代目の帰朝

あらすじ
阿呆の道よりほかに、我を生かす道なし。――待ちに待った「毛玉物語」再び!
TVアニメ化され、累計32万部突破した大ベストセラー『有頂天家族』。
森見史上、最も壮大で、最も愛の溢れる"あの物語"の第二幕。
天狗や人間にちょっかいを出しては狸界で顰蹙を買っている、京都下鴨家の三男狸・矢三郎は、まあまあ愉快に暮らしている。ところが、老いぼれ天狗・赤玉先生の跡継ぎである“二代目"が英国より帰朝すると、平和な街の気配が一変。天狗親子は大喧嘩、狸たちは覇権争い、狸を喰う人間たちは悪巧み、あちこちで多発する片思い……と、京都の街は混迷を極める。
矢三郎の「阿呆の血」が騒ぐ! 一族の誇りをかけて、尊敬する師、愛する者たち、そして毛深き命を守れ!
愛おしさと切なさで落涙必至の感動巨編。
――天下無敵、融通無碍。史上、最も毛深い京都絵巻。――

森見先生のスランプを挟んでの第二部なので非常に心配していたのだが、第一部の毛玉もそのままにパワーアップして帰ってきた有頂天家族!赤玉先生の子息・二代目が英国から帰ってきたことにより弁天との跡目争いが勃発し、さらには隠遁中の早雲も暗躍し、京都の街に暗雲が立ち込める。新登場のキャラクタとの運命の赤い毛もあり、矢三郎と弁天の繊細な関係もあり、ノンストップの阿呆でした。
あと森見作品にはクロスオーヴァがつきものだが、まさかのクライマックスでアノ正義の怪人が出てきたのには笑ったw
関係ないが、矢二郎ガエル君が四国から急いで帰る道中の描写で、南海フェリーから南海電車を使ってたのは胸熱だったwオレの最寄り駅を矢二郎が通過したと思ったら興奮したw
最後に弁天について。個人的に弁天がメッチャ苦手。なんで矢三郎が恋い慕っているのかがワカラン。例え話になるけど、芸人がこんな話をしてた。泊りがけのロケで、アシスタントの女性タレントがいたと。芸歴は一番浅い。しかし泊まりのときに、競演の大物芸能人と一夜を共にした。すると次の日から、まるで大物芸能人の位になったかのような尊大なオーラになったと。次の例え。社宅で奥様同士の関係。部長の奥様は偉そうに、周囲をアゴで使うと。奥様自体は実力も努力もしてないくせに、まるで自分の力のように振舞うと。さて小説に話を戻すと、弁天も偉そうにしてるけど、赤玉先生の威光を掠め取って尊大にしてるだけでしょ!!そんな態度が気に障るんだよなあ。
話が脱線したが、有頂天家族はメッチャ阿呆でメッチャおもしろい!第三部にも期待大!!だけど森見先生の調子もあるから、気長に待とう!!巻末の予告を引用して終わる↓

有頂天家族
第三部予告
赤玉先生こと如意ヶ嶽薬師坊の跡目をめぐって、対立を深めていく二代目と弁天。やがて畏れを知らぬ弁天は、鞍馬天狗たちから如意ヶ嶽を奪還せんと目論む――。地獄絵に呑みこまれた早雲と天満屋の運命、大還暦を迎えた寿老人最後の変身、そして百年の時を超えて明かされる偽電気ブラン誕生の秘密。下鴨家の毛深い四兄弟は、亡き父の遺志を継ぎ、洛中に垂れこめる暗雲を払うことができるのか。天地鳴動、執筆未定。史上もっとも毛深い京都絵巻『有頂天家族』、第三部「天狗大戦」に乞うご期待。

★★★★☆