くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

『有頂天家族』第13話「有頂天家族」


最終回!!仙酔楼に、金曜倶楽部と偽右衛門選挙と下鴨一家が一堂に会するところから。選挙のイザコザで夷川早雲と矢一郎虎が入り乱れ、金曜倶楽部に乱入し、そこには檻に入れられた母上の姿が。というのは今までの伏線が綺麗に描かれていればこその展開で、丁寧に描写していてくれたことに感謝感激。そして、赤玉先生の怒り!これも、いままでのクズジジイっぷりが伏線になって、今までの乱れに乱れた関係をすべてぶっ壊す展開で、ある意味爽快である。しかし、街を怒りの赤玉先生が進撃する姿は、いままでのコミカルであると同時に怖いな。ターミネーター的である。そして怒りを納めるのが、弁天。弁天は、もう少し心理描写をしたほうがいいという意見も多かったようだけど、空虚な心中の人だからこれでよかったと個人的には思う。大団円は、八坂神社で初詣。赤玉先生が兄弟に一言ずつ告げるシーンがあったけど、あれなんで矢三郎だけには無言だったのか?原作はどうだったっけ?エンドロールバックでは、最新短篇の「冬と女神と毛玉たち」を思わせるシーンもあり、最後まで遊び心を忘れない作りでよかった。
全体を通しての感想。原作に忠実に描写しながら、行間の文章にないところを独自に作り上げて、一体の世界観にしている。まことに大満足の全13話でした。京都の街もそのまま描かれており、また行きたくなった。金曜倶楽部の寿老人の魔術的リアリズムっぷりを謎を残しつつ描いたからには、次は『夜は短し』のアニメ化ですよね!?