くじら座ソーダ通信

主に読書(SFとミステリ)やアニメについて書きます。最近の読書感想は「漫才風読書感想」をやってます。カテゴリーから「漫才風読書感想」を選んで読んでみてください!

大森望編『てのひらの宇宙 星雲賞短編SF傑作選』

あらすじ
筒井康隆荒巻義雄小松左京神林長平……毎年のファン投票で選ばれる星雲賞日本短編部門受賞作の中から、20世紀日本SFを代表する精華11編を選りすぐった傑作短編集。

星雲賞はお祭り大賞だからと、まあ期待抑え目で読んだが、佳作ぞろいの良い短篇集だった。特に、荒巻義雄「白壁の文字は夕陽に映える」と中井紀夫「山の上の交響楽」は大傑作!!荒巻初期SFは再評価の機運が高まってきているので復刊しないかなあ。本作も精神医学の進化のビジョンが素晴らしい。「交響楽」も、設定の妙からの芸術のあり方を問うラストに感銘を受けた。ラストの入手困難の3作の流れも楽しい。しかし、オーケンだけ「著者のことば」が無いのは何故だ??

★★★★☆